ダイヤモンド技術で新市場を開拓するExtenDの挑戦
株式会社ExtenD(エクステンド)は、近年注目を集めるダイヤモンド技術を駆使し、新たな市場を目指すスタートアップです。佐賀県鳥栖市に本社を構え、2022年に設立されました。同社は、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)からの研究成果を基盤とし、これまでの産業用途を超えたダイヤモンド材料の応用技術を開発しています。
資金調達の大きな一歩
2025年6月、ExtenDはシード資金の調達を完了しました。詳細な調達額は公開されていませんが、大手企業や投資機関からの資金を得ることで、さらなる事業成長を図ります。引受先には、産業界での信頼名高い三星ダイヤモンド工業株式会社(大阪府摂津市)や、株式会社佐銀キャピタル&コンサルティング(佐賀県佐賀市)が名を連ねています。
資金の主な用途としては、ダイヤモンド材料の研究開発や製品化を進めることに加えて、試作と実証事業の拡大、人材の採用と体制の強化が含まれています。また、パートナー企業との連携による事業の拡大も大きなテーマです。
ダイヤモンド技術の革新
ExtenDは、産総研が開発した熱フィラメントCVD装置を基に、12インチウエハサイズの基板上にダイヤモンドを高精度に合成する独自技術を確立しました。この技術により、ダイヤモンド電極を使用した電気化学測定にAIを組み合わせた「AIソムリエ技術」を開発しました。これにより、さまざまな溶液から「化学的指紋情報」を迅速に取得できるシステムが実現されました。
この技術の応用範囲は広く、食品や飲料、医薬品など、多岐にわたる分野で利用されています。また、体液の成分の微細な違いを可視化することが可能なため、品質管理や異常診断、味覚評価、さらにはデジタルトランスフォーメーションの推進に役立つ技術として期待されています。
企業のあゆみと未来へのビジョン
ExtenDは設立以降、さまざまな成果を上げてきました。2021年には科学技術振興機構のプログラムに採択され、その後も多くの経歴を積んでいます。2023年には、コニカミノルタやFORXAIとのパートナー契約を結び、業界内での信頼を得ています。
また、同年のイノベーション・リーダーズ・サミットでTOP100に選出され、2024年には日本弁理士会のグランプリ賞を受賞するなど、高い評価を得ています。さらに、2025年の大阪・関西万博「TEAM EXPO 2025」プログラムの共創パートナーにも登録されており、今後の事業展開が非常に楽しみです。
結び
株式会社ExtenDは、ダイヤモンド材料を駆使して新たな市場を切り開く挑戦を続けています。今後の研究開発や新たな技術の展開が、どのように世界を変えていくのか、目が離せません。公式ウェブサイトでは、同社の活動や最新情報が随時更新されているので、ぜひチェックしてみてください。これからのExtenDの活躍に期待が高まります。
ExtenD公式サイト