バーバリーがMETガラ2025で魅せるブラック・ダンディズムの世界

2025年5月5日、ニューヨークのメトロポリタン美術館にて開催された「METガラ」。この特別なイベントに、バーバリーは各界からの才能を迎え入れ、「ブラック・ダンディズム」を称える夜を演出しました。参加したのは、アンドレ・3000やカーディ・B、アンジェラ・バセットをはじめとする、音楽、映画、スポーツ、ファッション界の著名人たちです。

バーバリーのチーフ・クリエイティブ・オフィサーであるダニエル・リーはこのガラに対して、「創造性と自己表現があらゆる境界を超える夜」と表現し、再び参加できたことを誇りに思うと語りました。バーバリーは初めて、「イメージ・アーキテクト」として名高いロー・ローチと協力し、今年のテーマを表現しています。

ブラック・アイデンティティを称える夜

ローチは、「今年のMETガラは、ブラック・アイデンティティとその誇りを称える場であり、私のキャリアの集大成である」と述べました。このイベントでは、「Tailored for You（あなたのためのテーラリング）」というドレスコードが設けられ、18世紀のブラック・ダンディズムから1920〜30年代のハーレム・ルネサンスに至る豊かな歴史に敬意が表されています。

バーバリーのスタイルは、英国のテーラリングに現代のダンディズムを再解釈したもので、燕尾服やバッスルコート、カマーバンドといったフォーマルウェアが特徴です。リーは、コスチューム・インスティテュートのアーカイブからインスピレーションを受け、力強いショルダーラインと美しいウエストシルエットが融合したデザインを披露しました。

ゲストの印象的なルック

様々なゲストがそれぞれにスタイルを披露しました。アンドレ・3000は、雨粒の刺繍が施されたコットンジャンプスーツにストライプのラグビートップを組み合わせ、印象的な姿を見せました。このルックは、アメリカ音楽史におけるブラックミュージシャンたちへの敬意を表すために、ミニチュアのグランドピアノを付け加えたものです。

アンジェラ・バセットは、ミッドナイトブルーとブラックのベルベットで仕立てたタキシードケープを纏い、クラシカルなエレガンスと知的な強さを表現しました。カーディ・Bは、モートグリーンのダマスクベルベットのテーラードコートとパンツに、ビーズのフリンジ付きのコルセットトップを合わせた装いで登場し、力強く華やかな一面を見せました。

クリエイティブなコラボレーション

ダニエル・リーとロー・ローチの共同キュレーションによるテーブル演出も注目を集め、ゲストへの最大限の敬意が反映されています。「卓越した才能を持つゲストたちと共に、この特別な瞬間を創造できたことを光栄に思います」とリーは語りました。

METガラは、メトロポリタン美術館のコスチューム・インスティテュートのための資金調達イベントとして知られ、ファッション界の最大規模の祭典の一つです。バーバリーは、その瞬間瞬間に新しい物語を紡ぎ出し続けています。このガラは、ただのイベントではなく、アートとしてのファッション、文化、そしてアイデンティティの重要性を改めて浮き彫りにしました。

バーバリーの参加は、ファッションのみならず、社会と歴史を結びつける重要な役割を果たしていることを示しています。次回はバーバリーの2025年冬コレクションを楽しみにすることでしょう。