着物から生まれたシャンプーバー「KINUITO」と越境ECの挑戦
大阪で活動する株式会社レクストシェアードサービスが開発した「KINUITO」は、不要となった着物から抽出したシルクを特徴とする固形シャンプーバーです。この製品は、環境負荷を軽減するサステナブルな選択肢として注目を集めています。
シルクの力
シャンプーバーには、着物から抽出されたシルク成分が配合されており、髪の保湿や滑らかさを保つ働きがあります。また、固形化の利点は、より多くのシルク成分を配合できることです。プラスチックボトルを使用せず、環境への配慮がなされている点もこの製品の魅力の一つです。
海外市場への進出
「KINUITO」は、世界市場を視野に入れて製品展開を進めています。その背景には、2024年に実施された世界向けのクラウドファンディングで、目標額を870%上回る資金調達に成功した実績があります。この成功は、海外市場への需要を実感する大きな要因となりました。
ZenPlusの導入
しかし、アメリカのAmazonでの販売検討時には、法的な登録やFDA認証の取得が必要ななど、数多くの障壁が存在しました。また、言語の壁やカスタマーサポートの負担も課題でした。そこで、株式会社レクストシェアードサービスは、越境ECモール「ZenPlus」の導入を決断しました。このプラットフォームを通じて、海外への販売体制を整え、越境販売が実現しました。
今後の展望
「KINUITO」は、SNSなどを駆使して海外向けプロモーションを強化していく予定です。近年、J-Beautyとして日本のヘアケア製品への関心が高まっており、「KINUITO」もこの流れに乗るべく、認知度向上と販売促進に力を入れます。またBtoB市場への進出も視野に入れ、販売チャネルの拡大を目指しているとのことです。
ブランドマネージャーの思い
「KINUITO」のブランドマネージャーである徳永様は、リユース事業に従事する中で、多くの着物が活用されずにいる現状を経験しています。そのため、「思い出の詰まった着物を捨てたくない」という声を多く聞いてきたそうです。この思いに応え、着物からシルクを取り入れた固形シャンプーの開発に至ったとのことです。「ZenPlus」の導入によって、着物の可能性を広げる挑戦が始まりつつあります。
ZenPlusについて
ZenPlusは、ZenGroup株式会社が運営する越境ECモールであり、2016年にスタートし、4,000社以上の業者が利用しています。このプラットフォームの強みは、初期費用が不要で、商品登録後すぐに販売が始められる点にあります。日本語のみで利用可能なため、言語の壁を気にせず多くの市場に進出できるメリットもあります。海外配送や手続きもZenGroupが代行しており、利用者の負担を軽減します。
「KINUITO」の海外市場展開は、今後の日本製品の認知向上にも寄与することでしょう。大阪から発信されるサステナブルな製品が、世界でどのように受け入れられるか、期待が高まります。