大阪府泉大津市では、このたび花粉症の予防と改善を目的とした新たなプロジェクトが始まりました。具体的には、泉大津市、東洋ライス社、日本医科大学耳鼻咽喉科学講座の大久保公裕教授との間で、2025年2月2日に「金芽米による花粉症の改善に向けた実証実験に関する覚書」が締結されました。これにより、金芽米(きんめまい)を活用した『泉大津市花粉症予防・改善プロジェクト』が実施されることとなります。
このプロジェクトは、花粉症の症状に悩む泉大津市の職員およびその家族を対象に展開され、約13か月間にわたって金芽米を食べることで、その効果を検証します。具体的には、100家族を目安に、金芽米を食べる前と後の花粉症の症状をガイドラインに沿ってアンケート調査し、データを収集します。
このプロジェクトにおける各々の役割についても明確にされています。泉大津市は花粉症に悩む職員の家族を対象とし、金芽米の喫食状況を追跡しながらアンケートに回答します。東洋ライス社は、プロジェクトに使用される金芽米を提供します。そして、大久保教授は、科学的な観点から助言を行い、アンケート結果の分析と考察も担当します。
金芽米は、東洋ライス社の独自技術によって糠成分が豊富に含まれているため、健康に良いお米として注目されています。泉大津市では、これまでにも学校給食や妊娠支援事業において金芽米が採用されており、その効果が期待されています。
ここ数年、花粉症の有病率は急増しており、1998年から現在に至るまで、約10年ごとに10%増加しています。2019年には、全国で約42.5%の人々が花粉症を抱えていると推定されています。これにより、日常生活のパフォーマンスが低下する事例が見受けられ、学力や記憶力にも影響を及ぼしていると言われています。
しかし、金芽米を食べることで、食生活の改善が花粉症に対する影響を及ぼす可能性が示唆されており、過去のアンケートでは「季節の変化によるムズムズ感が軽減された」との意見が多数寄せられました。これらの情報を基に、今回のプロジェクトが実施されることにより、職員とその家族の健康増進が期待されています。
プロジェクトは2025年4月から始まり、約13か月間、参加者たちは金芽米を食し、その効果の検証が行われます。最終的な結果は、2026年秋頃に発表される予定は、日本医科大学の大久保教授によって行われ、医療分野への還元が見込まれています。この取り組みを通じて、地域の健康促進とともに、花粉症に関する新たな知見が得られることが待たれます。