サウジアラビアのアラムコ・スタジアム、膜施工を太陽工業が受注
サウジアラビアのアル・コバール市に新たに建設が進められているアラムコ・スタジアムの膜施工を、太陽工業株式会社が受注しました。この大型スタジアムは、2027年に開催されるアジア最大のサッカー大会の会場となることが予定されています。アラムコ・スタジアムは、収容人数約47,000人の多目的スタジアムで、そのデザインはこの地域の海岸に見られる渦潮からインスパイアを受けた有機的な形状が特徴です。
膜の優位性と設計の利点
太陽工業は、スタジアムを包む花びら型のアルミ屋根の間に設置される膜パネルだけでなく、屋内の膜や上部の膜部分も含めた設計、製造、施工を手がけます。特徴的な素材として採用されるのは、PTFE膜と呼ばれる軽量かつ耐久性に優れた膜材です。この膜材は構造荷重を大幅に軽減し、その結果として鉄骨部分の設計も経済的に最適化されます。
PTFE膜の特性
PTFE膜は自然光を効果的に取り入れることができ、日中の照明使用を削減する効果があります。また、熱の蓄積を抑え、観客にとって快適な環境を提供しつつエネルギー効率の向上にも寄与しています。この膜材は、形状の自由度が高く、複雑な建築のデザインにも適用可能です。
大会とスタジアム利用の予定
完成後、アラムコ・スタジアムは2027年のアジア最大のサッカー大会の主要会場として多くの試合を開催します。そして2034年にはFIFAの国際基準に則った設計により、グループステージから準々決勝までの試合を行えるスタジアムとして使用される予定です。加えて、サウジアラビア国内のプロサッカークラブ「アル・カーディシーヤFC」の本拠地としても活用される見込みです。
施工スケジュールと期待
膜工事は2026年1月より開始し、同年6月から7月にかけて完成を目指して進められます。このスタジアムはサウジアラビアを代表するスポーツイベントの場として、多くの観客を迎えることが期待されます。これにより、太陽工業は中東地域における実績をさらに強化する機会となります。
太陽工業の国際的な実績
このプロジェクトを通じて、太陽工業はすでにカタールのハリーファ国際スタジアムやアメリカのメルセデスベンツスタジアムなど、数多くの国際的な膜構造スタジアムプロジェクトを手がけてきました。本受注により、さらなる信頼を得て、持続可能で快適な空間づくりに貢献することが期待されています。
概要
- - 所在地: サウジアラビア、アル・コバール市
- - 収容人数: 約47,000人
- - 施主: Saudi Aramco
- - 設計監修: Populous
- - 膜施工期間: 2026年1月から6月
- - 施設開業: 2026年6月~7月(予定)
このアラムコ・スタジアムの完成により、サウジアラビアでのサッカーの普及と国際的なイベント開催が一層進むことでしょう。