松竹アーツアンドクラフツが映す歌舞伎の真髄
松竹株式会社は、創業130周年という歴史的な節目を迎え、エンターテインメントの製作を支える職人たちの技と、その魅力を広めるプロジェクト「松竹アーツアンドクラフツ」をスタートします。この取り組みは、歌舞伎や演劇、映画制作の背景にいる職人たちの技術や創意工夫にスポットライトを当て、彼らの存在意義を再認識することを目的としています。
職人の技術とその魅力
130年の歴史を誇る松竹は、歌舞伎や演劇、映画の制作を通じて、日本の伝統文化を守り、発展させてきました。しかし、その裏には衣装や美術、小道具を担当する職人たちの存在があり、彼らの技術は日々の修練によって磨かれています。これまで、彼らの魅力を表に出すことは少なかったため、その技術に触れる機会がほとんどありませんでした。
本プロジェクトでは、制作過程や職人の技術に触れることができるさまざまな商品を発表し、一人でも多くの方にその魅力を体験していただくことを目指しています。実際に舞台や映画で使用された衣装や美術、小道具を用いた商品の制作・販売、さらにはオークションの開催など、多岐にわたる活動を展開していく予定です。
初企画:松竹創業130周年記念オークション
「松竹アーツアンドクラフツ」の第一弾企画として、「松竹創業130周年記念オークション」を実施します。このイベントでは、歌舞伎を愛する皆様に向けて、実際に歌舞伎座で使われた衣裳や小道具、美術品が出品されます。このオークションには、歌舞伎界の重要な人物である尾上菊之助(のちの八代目尾上菊五郎)の協力が得られ、伝説的な襲名披露公演で実際に使用された貴重なアイテムが並びます。
今回、出品されるアイテムには、以下のようなものが含まれています:
- - 赤綸子雲霞枝垂桜繍振袖着付(『京鹿子娘道成寺』より)
- - 黒縮緬駕籠目に菊染物柄裾模様赤縮緬裾振袖着付(『弁天娘女男白浪』より)
- - 中啓、振り鼓、番傘などの小道具(それぞれ『京鹿子娘道成寺』『弁天娘女男白浪』より)
- - 大道具の背景画額装(『京鹿子娘道成寺』より)
- - 押隈(『菅原伝授手習鑑 車引』より、など)
オークションでは、出品物を実際に手に取ることにより、歌舞伎制作における職人たちの技と情熱を感じていただける貴重な機会となります。また、オークションの一部販売収益は、今後の舞台制作にあてられ、職人たちに還元されることになっています。
オークションと公演の情報
このオークションは、2025年の6月に行われる予定で、事前入札や当日参加についての詳細は公式ウェブサイトで案内されています。プレビューも予定されており、歌舞伎座2階のロビーで出品物の一部を展示し、観劇のお客様がご覧いただける機会も設けられます。
さらに、特別な歌舞伎公演も併せて行われる予定で、ファンやご興味のある方はこの歴史的な企画にぜひ足を運んでいただきたいと思います。詳細や最新情報は、松竹アーツアンドクラフツの公式HPにアクセスして確認してください。