都市の記憶を呼び起こす藤本まり子と松下竜也の二人展「BREATH」

藤本まり子・松下竜也二人展「BREATH」

都市の情景が感情を呼び起こし、記憶と人生をたどる二人展「BREATH」が、大阪の西天満に位置するN projectでただいま開催されています。この展覧会は、2025年6月7日（土）から7月18日（金）までの期間中行われます。ニューヨークを拠点に活動する藤本まり子と松下竜也の作品は、私たちにアートを通して都市生活の深層を問いかけます。

アーティスト紹介

藤本まり子は1991年に東京都に生まれ、2014年に多摩美術大学を卒業した後、ニューヨークに渡りました。彼女の作品は日常の風景を夢や文学のフィルターを通し、独自の世界観へと昇華させるものです。郷愁や忘れかけた感情を呼び起こす彼女の絵画は、異国での生活を日記のように表現しており、故郷への想いと新しく育まれる感受性が交錯しています。

一方、松下竜也は1982年に愛知県で生まれ、2006年に東京藝術大学を卒業後、東京を拠点とするアーティストとして活動していましたが、2022年にニューヨークへ移りました。松下は都市のリズムや構造に焦点を当てた作品をつくり出し、「有機的な幾何学」を探求しています。彼は、日本の近代美術の文脈を踏まえつつ、人間の肉体と精神の関係を深く追求しています。無数の窓や道、建物が織りなすグリッドの中で、さまざまな人生が共鳴し合い、都市が一つの生命体のように脈打つ瞬間を捉えています。