少年院における新しい学びの挑戦
株式会社公文教育研究会、通称KUMONは、法務省との協力のもと関西の少年院で、出院後の就職を見据えた学習支援プログラムを開始します。この取り組みは、少年院にいる子どもたちが持つ潜在能力を引き出し、社会に戻る際の支援となることを目的としています。
プログラムの背景と目的
日本では、少年院に入所する若者の多くが学力不足による就労困難に直面しています。近年の調査によれば、入院時点で約60%が高校を中退または進学しておらず、出院後の再入院率は高かい数値を示しています。これらの課題に対して、KUMONは教育を通じて「自分を信じる力」を育て、社会とのつながりを再構築することが急務であると認識しました。
本プログラムでは、公文式学習を導入し、基礎的な学力を身につけるだけでなく、自己肯定感の向上も目指します。在院者たちは、算数・数学や国語に特化した学びを通じて、成長と達成感を実感することができます。
プログラムの内容
この学習支援は、関西にある7つの少年院の在院者を対象に実施され、今後3年間にわたって行われる予定です。具体的には、以下のような活動が含まれます。
- - 公文式学習: 在院者は週に1回の授業を受け、他の日には宿題を行います。
- - 就労意欲喚起: 出院後の支援を行う企業と連携し、企業説明会や座談会も開催。これにより、社会とのつながりを与え、就業に対する意欲を大いに喚起します。
KUMONのアプローチと特徴
公文式教育の特徴は、個々の学力に応じた教材から学ぶことで、できることを増やす楽しさを提供する点です。子どもたちは、教員からのサポートを受けながら少しずつ自信を築いていくことができます。学習を通じて得た「やればできる」という自己信頼感は、彼らの更生への意欲と直結しています。
KUMONは、1977年から一部の少年院での教育に取り組んできました。その活動は、単に学力向上に留まらず、「やり抜く力」や「目標意識」といった非認知能力の向上へも寄与してきたことが明らかになっています。これまでの成果は、社会復帰後の「大人への信頼感」や「やればできる」という自信を育むことができました。
これからの展望
KUMONは、1958年の設立以来、全ての子どもたちに学びの機会を提供することを目指してきました。今回の取り組みは、その理念を体現するものです。今後も、少年院など特別な環境にいる子どもたちに対する教育支援を続けることで、彼らの未来を明るく彩り、希望を持たせる努力を重ねていきます。
本プログラムが、ただの学習支援にとどまらず、社会全体の包摂へとつながるような新たなモデルとなることを期待したいですね。