KDDIとPlus M、日韓映画に新たな風を吹き込む
2025年5月15日、KDDIは韓国の映画配給大手Plus M Entertainmentとの間で映画共同マーケティングに関する基本合意書を締結しました。このパートナーシップは、日本と韓国それぞれの映画を円滑に流通させ、両国の映画市場の発展を目的としています。
過去、日韓の映画公開には長いタイムラグが存在し、韓国で公開された映画が日本で公開されるまでには半年から1年の遅れが生じることが一般的でした。このような流通上の課題を解決するため、KDDIとPlus Mは戦略的連携を強化し、日韓での映画同時公開を実現することを目指しています。
KDDIの映画への情熱
KDDIは、顧客に映画をより楽しんでもらうための取り組みを多岐にわたって行っています。具体的には、国内映画館や配給会社と連携し、Pontaパス会員向けの試写会プレゼントや映画割引クーポンといった特典を提供しています。また、2022年にはKDDI Picturesという映画レーベルを設立し、映画の制作と配給に乗り出しました。この新たな取り組みを通じて、会員には魅力的なコンテンツと特典が届けられるよう努めています。さらに、2024年からは韓国映画の買付けも始める計画で、特典のラインアップを充実させる方針です。
Plus Mのエンターテインメント戦略
一方、Plus Mは映画だけでなく、ドラマ企画、制作、投資、配給、海外セールスを手掛ける総合エンターテインメント企業です。2014年に韓国の大手マルチプレックスチェーンのメガボックスによって設立された同社は、「犯罪都市」シリーズや第97回アカデミー賞韓国代表出品作「ソウルの春」、さらには「ハント」といったヒット作を生み出してきました。これにより、興行的成功だけでなく、作品性でも高い評価を得る強力なラインアップを築いています。
日韓映画の同時公開への期待
KDDIとPlus Mが展開する的確なマーケティング戦略により、両社の映画作品の独占供給が進むとともに、日韓同時公開が実現可能となります。この取り組みによって、言語や文化の壁を超えた新しい映画体験が顧客に提供されることが期待されています。両社は映画を通じた多角的な価値創出にも取り組んでおり、映画を生活の一部として楽しむ文化の定着を目指しています。
名作のリマスター上映への取り組み
さらに両社は、観客に愛されている名作映画のリマスター上映やリメイクを共同で検討することも考えています。これにより、両国の人々がこの映画の魅力を改めて感じられるようにすることが目的です。
KDDI Picturesの展望
KDDI Picturesは映画制作および配給事業に力を入れ、2024年には人気の韓国映画を予定しており、「aespa: MY First Page」や「満ち足りた家族」といった作品がラインアップに追加されます。2025年6月13日には新しい話題作「ラブ・イン・ザ・ビッグシティ」が公開予定で、Pontaパス会員は特別価格で鑑賞できる特典も用意されています。
KDDIとPlus Mの提携は、日韓映画市場の革新を促し、映画をもっと身近に楽しめる機会を提供することでしょう。両社の展開にぜひ注目したいところです。