未来を育む芸術
2025-10-17 15:32:19

ウェールズ・アーツ・インターナショナルが喜多能楽堂で「未来を育む芸術」を開催

ウェールズ・アーツ・インターナショナルが喜多能楽堂で「未来を育む芸術」を開催



10月15日、東京・品川区の喜多能楽堂にて、ウェールズ・アーツ・インターナショナル(WAI)が主催するパネルディスカッション「未来を育む芸術:伝統と創造で考えるSDGsの可能性、芸術と社会の関わり」が開催されました。このイベントは、2025年に実施される「日本におけるウェールズ年」の一環として行われ、ウェールズ政府の協力を受けて開催されました。

イベントの目的と背景


このイベントは、世界に先駆けて2015年に制定された「未来世代のためのウェルビーイング法」の10周年を記念するもので、ウェールズの文化や芸術が社会にどのように寄与できるかを探求することを目的としています。パネリストには、能楽師の坂口貴信さんや、ウェールズ在住のアーティスト森順子さんが参加し、芸術が社会や持続可能性に与える影響について熱い議論が交わされました。

フィオン・トーマス、ウェールズ政府国際関係・海外ネットワーク副局長の挨拶に始まり、彼女は「創造性を通じて持続可能で公平な社会を築くことの重要性」を強調しました。続いて、ウェールズ大学トリニティ・セント・デイヴィッドの名誉副学長、ジェーン・デイヴィッドソンが「未来世代のためのウェルビーイング法」の軽妙な説明を行い、個々の行動が将来に有益であることを示しました。

「文化」の重要性


デイヴィッドソンは、ウェールズにおける「文化」の意義についても言及し、ウェールズでは文化が持続可能な発展の核心であることを強調しました。伝統や言語、価値観、未来への希望や不安が文化の一部であり、法律に組み込むことができた点がウェールズの大きな特徴であると述べました。このように、文化がSDGsの枠組みの中で重要な役割を果たすことが強調されました。

パネルディスカッションの内容


パネルディスカッションでは、芸術と社会の相互作用について様々な観点から議論が行われました。坂口さんは、能楽の実践を通じて観客も育てるべきであるという考えを示し、教育における和楽の学びの不足を指摘しました。一方、森さんはウェールズ語教育の重要性を訴え、地域社会が文化の復活を通じてどのように創造性を育んでいるかを紹介しました。

さらに、両国の伝統芸能と現代アートが持つ共通点についても探求され、「過去を尊重し現代を豊かに生きることが、より良い未来を作るというビジョン」についての話もされました。これにより、ウェールズと日本の芸術が持つ精神性や文化がいかに連携していけるかを考える貴重な機会となりました。

最後に発表された映像「Pethau Bychain」


ディスカッションの最後には、WAI代表のエリネド・ハーヴが新しい映像「Pethau Bychain」の公開を発表しました。この映像は、ウェールズ語で「小さなこと」を意味し、ウェールズのアーティストたちが、持続可能性やウェルビーイングをテーマにした作品を通じて取り組む姿を紹介しています。この作品は他者への思いやりを促進し、文化の重要性を再認識させる内容となっています。

また、シアター・カムリによる「カルの旅」が2025年に東京で上演されることも発表されました。ウェールズ語の作品が持つ魅力と、友情や希望をテーマにしたストーリーが、日本の古典芸能と融合する機会に期待が高まります。このイベントを通じて、ウェールズと日本の文化がこれからも互いに影響し合い、成長していくことが期待されます。


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