岡山大学、サステナブルな未来を目指す新技術説明会を開催

2025年12月9日、岡山大学と鳥取大学は中国地域産学官連携コンソーシアム、通称「さんさんコンソ」にて『サステナブルな未来へ：技術が支える社会課題の解決～さんさんコンソ～新技術説明会』を実施しました。このイベントは、技術の社会実装を目指すもので、大学や研究機関の新しい研究成果を企業に向けて発表する重要な機会です。

新技術説明会の目的

今回の説明会は、主に産学連携に関心を持つ企業関係者を対象にしており、研究者が直接その研究成果を紹介します。これは、国立研究開発法人・科学技術振興機構（JST）の支援を受けたものであり、技術の価値を企業と連携することで実用化を図り、研究のさらなる発展を目指しています。

開会に際して、岡山大学研究・イノベーション共創機構の今井明本部長は、今回の場が産学官連携による社会課題解決への期待を示すものであると述べ、地域産業の活性化とイノベーション創出の重要性を強調しました。

参加した研究者と発表内容

今回の説明会には、さんさんコンソに参加する大学から5名の研究者が登壇し、それぞれの最新研究成果を発表しました。

1. 広島市立大学の上土井陽子准教授による「情報」セッションでは、「安全で高速な秘匿計算のための秘匿演算変換」と題し、データの安全性を高める技術について説明されました。

2. 川崎医科大学の岩本侑一郎臨床助教は、「高血糖緊急症に対する治療後の個別化血糖推移予測」を発表。患者の状態に応じた医療への適用可能性を語りました。

3. 広島国際大学の清水希功主任は、「抜針検出の自動化、患者抜針トラブルの見守りや人手不足の解消」として、医療における労働力不足を技術で解決する提案がされました。

4. 山口大学の浅井義之教授は、「状態空間モデルによる妊娠高血圧発症リスク予測技術」を扱い、妊婦の健康管理に資する研究内容を発表しました。

5. 鳥取大学の前ゆかり助教は、「筋質を取り入れた新しいサルコペニア診断・腎予後指標：有効筋肉指数 (EMI)の提案」を提起し、筋肉の質が健康に与える影響についてカバーしました。

これらの研究発表を通じて、参加者は幅広い分野での研究が進んでいること、そしてそれが社会での具体的な課題解決に繋がる可能性を実感しました。

サステナブルな未来への道

岡山大学は、国連の「持続可能な開発目標（SDGs）」を支援しており、この説明会もその理念に基づいています。社会や地域へ貢献する姿勢を持つ岡山大学に期待が寄せられています。また、大学は「ジャパンSDGsアワード」の特別賞も受賞しており、その取り組みが評価されています。

この新技術説明会は、参加者にとってもネットワーキングの貴重な機会となり、技術の実用化に向けた新たな協力関係の構築が期待できます。今後の産学官連携による社会課題解決への取り組みに注目です。

さらに詳しい情報や発表の内容については、JSTの公式ホームページをご覧ください。