ファミリーマート社長・細見研介の挑戦と変革の物語
大阪から世界へ、コンビニ業界での革新を目指すファミリーマートの細見研介社長。その挑戦の根源と、彼が取り組む新たなコンセプト『コンビニエンスウェア』について深掘りします。
出自と学生時代の経験
細見社長は1962年、大阪・阿倍野区で生まれました。彼の幼少期は移動が多く、すこし地味な子供だったようです。しかし、読書やテレビから多くの影響を受け、若い頃から海外に対する夢を抱くようになりました。当初は「船長」になりたいという夢を持っていましたが、高校ではアメリカンフットボール部に所属し、ピンチを乗り越える力を養いました。
神戸大学時代にはアメフトの主将を務めるも、主力選手が抜けたことでチームは苦境に立たされます。しかし、1年生が大勢入部し、大人数を取りまとめることで勝利へと導く経験をし、コミュニケーションの重要性を学んだといいます。この経験は、後の企業経営に大きく影響を与えることになりました。
伊藤忠での学び
大学を卒業後は、大手商社の伊藤忠商事に入社。繊維部門でキャリアを重ね、数々の大きな商談を成功させるも、時にはキャンセルされることもあります。この失敗から、細見社長は『一人でやれることは限られている』という重要な教訓を学びました。
彼の努力と学びが高く評価され、2021年にはファミリーマートの社長に就任しました。就任後の第一の施策は、店舗の商品ラインナップの変革です。おしゃれで実用的な衣料品ブランド『コンビニエンスウェア』をスタートさせ、進化を遂げるコンビニエンス業界の様子を変える取り組みを行っています。
大改革への道
『コンビニエンスウェア』の新しいアイデアは、ファッションデザイナーの落合宏理と共に進められ、従来の「緊急性のある商品」としてのイメージを覆すものでした。色とデザインが今までにない斬新さを持ち、売上もかつてない急成長を見せています。
また、彼はコーヒーのメニューにも変革をもたらしました。新型コーヒーマシンは、長い期間の開発を経て、最高の味を気軽に提供。新たな抽出方法により、世界一の味を楽しんでもらいたいと考えています。
大阪の特徴的な店舗
特に注目すべきは、大阪・関西万博の会場にあるファミリーマート。ここでは日本一の『ファミチキ』の販売数を誇っていますが、ベテランではなく、全国から集められた「2年目」社員たちが運営しています。彼らは主体的に運営を行い、様々な「技」を駆使して万博を支えています。
細見社長のプライベート
また、細見社長のプライベートも興味深いものです。単身赴任が続いている彼は、海外出張で手に入れたポスターや絵画を趣味として集め、自宅に約50点のコレクションを飾っています。どのような変化が今後訪れるのか、彼の次なる挑戦に注目です。
細見社長のこれまでの道のりと、ファミリーマートが持つ未来へのビジョンは、コンビニ業界にとっても、他社にとっても重要な指針となるでしょう。今後の展開に期待が寄せられています。