管理職の重荷を軽くする「シェアド・リーダーシップ」への期待と課題とは
近年、管理職になりたくないという社員が増えており、現在の管理職もその責任や役割の重さに悩んでいるという実情があります。株式会社シェイクが実施した意識調査によると、大規模企業の管理職に多く求められている役割の中に、「部下のメンタルケア」や「キャリア面談」が含まれており、これらは管理職にとって特に負担に感じられています。
管理職の負担と責任
調査では、管理職に期待される役割の上位に「部下の指導・育成」があることが明らかになりました。具体的には、部下のキャリア支援、業務指示、そしてモチベーション維持が求められています。管理職自身もこれらの役割に意欲を示していますが、一方でメンタルケアなどの業務は具体的なノウハウが不足しており、負担が大きいと感じていることがうかがえます。
特に部下のキャリア面談やメンタルケアについては、24.7%の管理職がこれらを手放したいと考えていることが調査結果からも明らかでした。このような重荷を軽減するための組織的な改革が求められています。
シェアド・リーダーシップ型組織の興味
次に注目を浴びているのが「シェアド・リーダーシップ型組織」です。この組織形態では、1人のリーダーに頼るのではなく、全員がリーダーシップを発揮できるような体制を目指しています。調査によると、70%以上の管理職がこの考えに魅力を感じていると回答しており、従来のトップダウン型ではない新たなリーダーシップスタイルへの関心の高まりを示しています。
ただし、シェアド・リーダーシップ型組織の導入には、管理や統制の難しさ、責任の所在の不透明さといった課題も伴います。これに対処するルールや評価制度の見直しが必要とされています。
今後の展望とリーダーシップ育成
調査結果からは、部下がリーダーシップを発揮できていると考える管理職が約半数おり、部下が自身の役割に対してポジティブな影響を与えることができていることが伺えます。このような状況下で、リーダーシップの発揮を促すための成功体験や権限委譲が重要視されています。特に、若手・中堅社員に対して成功体験を提供することが重要であると、課長職や部長職からの回答でも示されています。
まとめ
この調査を通じて明らかになったのは、管理職が持つ役割の重さや負担感、そしてそれを軽減するためのシェアド・リーダーシップの期待です。部下の指導や育成を通じたやりがいを感じつつも、管理職自身は心理的負担を強く感じているため、この両者のバランスを取るためには組織全体での取り組みが必要です。チーム全体がリーダーシップを共有し、互いに支え合うことで、より健全な組織づくりが可能となるでしょう。
今後も株式会社シェイクでは、リーダーシップの育成と組織風土の改善に取り組むことで、職場の環境を整えることを目指しています。