葛飾北斎を描いた限定グランドピアノが登場
株式会社ヤマハミュージックジャパンが、ベーゼンドルファー社の新作グランドピアノ『The Great Wave off Kanagawa(神奈川沖浪裏)』を2024年4月1日より発売します。これは江戸時代の浮世絵師、葛飾北斎の名作をモチーフにした全世界16台の限定モデルです。特にこのピアノは2025年に開催される大阪・関西万博のオーストリアパビリオンで展示されるため、ますます注目を集めています。
ピアノのデザインと技術
発売される『The Great Wave off Kanagawa』は、北斎の代表作「神奈川沖浪裏」がピアノの屋根の内側に美しく描かれた一品です。この作品は「富嶽三十六景」シリーズの中でも特に評価が高く、ピアノ自身がアート作品のようです。色彩テーマは北斎の作品を忠実に再現し、ピアノの側板の内側と椅子のクッションには美しいプルシアンブルーが施されています。さらに、ピアノのフレームと譜面台には葛飾北斎の署名が赤色であしらわれており、この色は日本文化において重要な意味を持ちます。
また、ピアノの鍵盤左側にはシリアルナンバー入りの真鍮プレートが埋め込まれ、特別感を高めています。音響面では、ベーゼンドルファーが誇るVCシリーズ「214VC」を基にしており、手作業で丁寧に作り込まれています。全てのチューニングピンには独立して弦が張られた「総1本張り」の手法が用いられ、音程の安定性が確保されています。さらに高品質なスプルース材をふんだんに使用することで、ビビッドな音色を実現。これが「ウィンナートーン」と呼ばれるベーゼンドルファー独特の豊かさを発揮しています。
自動演奏機能とコンテンツ
このグランドピアノは自動演奏機能を搭載しており、クラシックやジャズなど多彩なジャンルの曲が楽しめる1000曲以上のコンテンツが内蔵されています。特に、ヴィルヘルム・バックハウスやアルトゥール・ルービンシュタイン、セルゲイ・ラフマニノフといった著名なピアニストの演奏データも含まれているため、ピアノを鑑賞しながら歴史的な演奏を楽しむことができます。
大阪・関西万博に向けた特別な出展
ベーゼンドルファーは1828年に創業し、ウィーンの名門ピアノメーカーとして名を刻んできました。『The Great Wave off Kanagawa』の登場は、オーストリアの伝統的な技術と日本文化の融合を象徴しています。大阪・関西万博での特別出展はその証として計画されています。これは206年来の技術と文化の交差点とも言える場面です。
この限定グランドピアノは49,940,000円(税抜45,400,000円)という希少価値のある作品で、音楽ファンやアート愛好家にとって、見逃せないアイテムとなるでしょう。興味のある方は、ぜひ万博での実物に触れてみてください。これがもたらす音楽とアートの素晴らしさを体験する機会です。