新国立劇場で第19期生修了公演『社会の柱』が上演決定
新国立劇場演劇研修所では、2026年2月10日から15日まで、第19期生による修了公演『社会の柱』が上演されます。この作品は、近代劇の巨匠ヘンリック・イプセンによるもので、深遠な社会問題を描いた戯曲です。演出は演劇研修所長の宮田慶子氏が手掛け、作品の入念な解釈と情熱が注がれています。
『社会の柱』は、ノルウェーの小さな港町を舞台に、実業家カルステン・ベルニックが家族との関係や鉄道事業の計画に追われる様子を描いています。彼の過去に迫る出来事が影響を及ぼし、物語は緊張感に満ちた展開を迎えます。この作品は資本主義社会の理想や倫理観、自由と尊厳といったテーマを鋭く切り込んでおり、現代に多くの示唆を与えています。
演劇研修所では、イプセンの作品を第13期生が新訳で上演して以来、二度目の取り組みを行います。前回から引き続き、信頼のおけるスタッフが参加し、作品の深みを増す手助けをしています。
今年、2023年に入所した第19期生は、充実した研修を積み重ねてきました。彼らは、8月には朗読劇『少年口伝隊一九四五』を、11月には『トミイのスカートからミシンがとびだした話』を上演し、観客からの注目を集めたばかりです。全力を尽くしてプロの舞台俳優としての技術を磨いてきた彼らが選び抜いた『社会の柱』は、その集大成となります。
物語の概要
物語は、ノルウェーの小さな港町が舞台です。有力な実業家であるカルステン・ベルニックは、妻のベッティー、息子のオーラフと共に理想的な生活を送っています。彼は「社会の柱」と称されるほど、町の人々から崇敬を受けています。しかし、商人たちとの鉄道事業計画を進める中で、意外な過去が明るみに出て、彼の平穏な生活は脅かされます。15年前にアメリカに渡ったベッティーの弟ヨーハンと異父姉ローナが帰国し、彼らの存在がベルニックの人生を揺るがすことになります。
過去に犯した過ちと鉄道事業に隠された秘密が交差することで、登場人物たちの関係は複雑化し、緊張感をもって物語が展開していきます。最終的に、彼は何を失うのか、何を得るのか。観客を引き込む力強いストーリーが待っています。
スタッフとキャスト
『社会の柱』のスタッフは次の通りです。
- - 作: ヘンリック・イプセン
- - 翻訳: アンネ・ランデ・ペータス
- - 演出: 宮田慶子
演出に関しては、様々な作品を手がけてきた宮田慶子氏が、作品のテーマに対する深い理解を持って取り組んでいます。
公演日程とチケット情報
2026年2月10日(火)から15日(日)まで、新国立劇場小劇場での上演が予定されています。
1. 2月10日(火)18:00
2. 2月11日(水・祝)14:00
3. 2月12日(木)18:00
4. 2月13日(金)18:00
5. 2月14日(土)14:00
6. 2月15日(日)14:00
チケットは、一般発売が2025年12月2日から始まります。
- - 料金: A席 3,850円、B席 3,300円、U25席 1,650円など。
詳細な情報やチケットの購入は、新国立劇場公式ウェブサイトをご確認ください。
新国立劇場の役割
新国立劇場は、オペラ、バレエ、ダンス、演劇等の現代の舞台芸術を支えるために1997年に開場されました。今後も次世代のアーティスト育成を主軸に、様々な公演を通じて日本の演劇界を活性化する重要な拠点であり続けます。