シリコーン3Dプリント技術を駆使したロボティクスの革新
今回、株式会社システムクリエイトが提供するソリューションの一つ、「シリコーン3Dプリント」を活用したソフトロボティクスの最前線を紹介します。本社を大阪府東大阪市に構える同社は、フランスのシュナイダーエレクトリック Openlabチームが手掛けたプロトタイプグリッパーの開発事例を明らかにしました。このグリッパーは、Lynxterの3Dプリンターを用いて製作されており、製造業界におけるロボットの進化を象徴しています。
ソフトロボティクスの新たな可能性
ソフトロボティクスという分野は、ロボット工学の中でも注目を集めている新しい領域です。この技術の根幹には、製造コストの削減、多用途性、そして高い柔軟性があり、特に繊細な作業環境での精度を求められる場面で効果を発揮しています。例えば、顕微手術やサンゴ礁の保護など、特殊な環境においても安全に機能します。これにより、ロボティクス技術はもはや単なる「機械」の域を超え、人間とのコラボレーションを促進しています。
この分野で注目されているのが、フレキシブルグリッパーです。果物やケーキといった繊細な物体を傷つけることなく扱えるため、食品産業から製造業、さらには医療分野に至るまで、幅広い応用が期待されています。特に、コボット(協働ロボット)としての利用は、作業者の安全を確保しつつ、効率的な生産環境を提供することができます。
シリコーン3D印刷による革新
シリコーン3D印刷の技術進化により、設計者は新たな実験的形状を自由に作成できるようになりました。従来の成形プロセスでは実現不可能な複雑な内部構造を持つ部品の製作が可能となり、設計の幅は飛躍的に広がっています。例えば、Lynxterのシステムを使用すると、10から40ショアAの硬度を持つシリコーンを活用し、様々なアプリケーションに対応した形状を生み出すことができます。
シリコンは、その優れた絶縁特性や高温・化学薬品に対する耐性を備えており、ソフトロボティクスにとって不可欠な材料です。LynxterのS600D 3Dプリンターでは、このシリコーンを使った印刷が実現され、新しい製品の開発が加速しています。
プロトタイプグリッパーの設計
Openlabチームが開発したプロトタイプグリッパーは、シリコンによる3Dプリント技術を駆使した新しい指のデザインによって特徴付けられています。この指は、圧縮空気を利用して動作し、内部に設けられたピラミッド型の空気室が膨張することで、指の屈曲運動を実現します。これにより、対象物をしっかりと掴むことができ、物体を保持する外側には、切り込みが施された歯状のデザインが施されています。
このプロトタイプは、まず実際の制御ラインでの使用が予定されており、ビデオ認識を用いて円筒形の物体を効率的につかむ能力を持っています。このような実験を通じて、機械学習による生産ラインの性能最適化が期待されていいます。
ソフトロボティクスは今後もさらに進化を続け、柔軟性のある材料や新たな動作メカニズムの研究が必要とされています。株式会社システムクリエイトでは、引き続きこの分野での応用を追求し、製造業の革新に貢献していくことを目指しています。関心のある方は、ぜひお問い合わせください。どなたでもお気軽にご連絡をお待ちしております。
会社紹介
株式会社システムクリエイトは、1992年に設立され、3Dプリンターやスキャナーの販売、 CAD/CAMソフトウェアの支援を行っており、製造業向けのソリューションプロバイダーとして幅広いサービスを提供しています。大阪府東大阪市に本社を構える当社では、技術サポートやトレーニングも実施し、受託造形の依頼にも対応しております。興味のある方は、ぜひ公式ウェブサイト(https://systemcreate-inc.co.jp/)をご覧下さい。