岡山大学が開発した新しいCT検査用クッション
国立大学法人岡山大学が、医療現場に革命をもたらす新しい道具「腹臥位用胸部クッション」を開発しました。このクッションは、CTなどの検査や治療時に患者の負担を軽減し、快適な体勢を保つためのものです。病院の環境が進化していく中で、患者の快適性を向上させるために、看護師たちの負担も軽減する役割を果たしています。
開発の背景と目的
CT検査は多くの医療現場で行われていますが、その一つである腹臥位(うつ伏せ)の姿勢で行う際、患者にとっては長時間同じ姿勢を保つことが求められるため、非常に大きな負担がかかります。特に肩や胸腹部に痛みや圧迫感を感じることがあります。それに対処するため、岡山大学では医療従事者によるヒアリングや現場観察を行い、どのように患者をサポートできるかを徹底的に検討しました。
このプロジェクトは、看護師たちが「患者の負担を軽減し、スムーズな検査や治療を提供したい」という思いから始まりました。そのニーズを反映させたクッションの開発は、ユーザーの快適性を最優先に考えています。
クッションの特長
新たに開発された腹臥位用胸部クッションは、アズワン株式会社との共同研究によって具現化されました。専門家たちが集まり、様々な素材や形状を試験を繰り返し、最適なものを選び出しました。このクッションは、ただやわらかいだけではなく、体にフィットし、支えとなるバランスの取れたデザインが施されています。
実際のCT装置で何度も評価が行われたことで、ユーザーからは「快適でリラックスできる」といった高評価を得ており、これにより医療従事者の負担も削減される見込みです。また、患者に対しても安定した姿勢で検査や治療を受けてもらうことができるため、医療の質を向上させる効果が期待されています。
開発者からのメッセージ
馬越紀行助教をはじめ、開発に関わった医師や看護師、放射線技師たちからは、「このクッションは患者の負担を大きく軽減するもので、多くの方にご利用いただきたい」との言葉が寄せられています。今後、地域に根ざした研究機関として、さらなる医療の革新に向けた取り組みが進められます。
地域社会への貢献
国立大学法人岡山大学は、地域社会に根ざした研究とともに、持続可能な開発目標(SDGs)にも取り組んでいます。新たな医療用具の開発を通じて、医療の質向上はもとより、地域の未来を共創するための活動に力を注いでいます。今後の成果にも大いに期待が寄せられています。
岡山大学ならではの研究を通じて、より良い医療環境が実現されることを願っています。