世界へ再進出する「リッカー」ブランド
日本のミシンブランド「リッカー」が、フィリピン、カンボジア、シンガポール、バングラデシュ、オーストラリア、ニュージーランドの6カ国で商標権を取得しました。この動きは、アジアおよびオセアニア地域におけるブランド展開の足掛かりとなります。
「リッカー」は、1970年代に家庭用ミシンのトップシェアを持つ、日本三大ミシンメーカーの一つとして知られています。当時、国内では洋服を手作りすることが一般的で、家庭用ミシンは生活必需品として広く使用されていました。その背景には「リッカー」が提供した高品質なミシンがあったのです。特に、電子ミシンの「マイティシリーズ」は人気歌手を起用したテレビCMによって幅広い層に支持されていました。
しかし、2000年代に入り、家庭用ミシン市場は厳しい競争にさらされ、ブランドの存在感が薄れてしまいました。昨年、株式会社NOEXCUSEが「リッカー」の商標権を再取得し、新たなミシンの開発を進めています。その第一弾として、2024年には家庭用ニードルパンチミシンが発売予定、さらに翌年には新型家庭用ミシンもお目見えする予定です。
海外展開の意義
商標権の取得により、「リッカー」はアジア及びオセアニア地域でのブランド構築を本格化します。特に、これらの地域は技術革新に対する関心が高く、日本品質の製品に対するニーズが増しています。これを踏まえて、現地市場との信頼関係を築くことが重要です。
NOEXCUSE代表の桑原和寛氏は「日本の丁寧なものづくりを世界に届けたい」と語っており、この言葉には「リッカー」のブランドが持つ価値を再認識させる意気込みが感じられます。商標を取得した国々での存在感を徐々に高め、将来的には世界各国へ展開を広げることが目標です。
ブランドの復活に向けた取り組み
NOEXCUSEによって復活した「リッカー」では、新製品の開発の他にも、SNSを通じた情報発信や、ハンドメイドイベントの参加など、幅広い活動を行っています。これにより、ユーザーベースの拡大やミシンを使用した楽しみ方を再発見する機会を提供します。
また、ミシンの販売だけでなく、修理やメンテナンスを専門とする店舗「ミシン生活」の運営も行っており、消費者にとってより身近な存在になることを目指しています。
「リッカー」は公式サイトやSNSを通じて最新情報を発信しており、今後の展開に期待が高まります。日本の伝統的な技術が詰まったミシンで、再び世界中の家庭に愛用される日が来ることが待ち望まれます。これからの「リッカー」にぜひご注目ください!