大阪湾の海洋プラスチック問題解決へ向けた新たな連携スタート
2023年2月18日、古野電気株式会社、大阪大学大学院工学研究科、大阪府環境農林水産部は、大阪湾に流入するプラスチックごみに対抗する新たなプロジェクトを始動するべく、「海ごみゼロおおさか」プロジェクトの事業連携協定を締結しました。このプロジェクトは、海洋プラスチック問題を解決し、持続可能な未来を創造することを目指しています。
プロジェクトの背景
この協定は、大阪府がG20サミットで掲げた「2050年までに海洋プラスチックごみによる新たな汚染ゼロ」を実現するため、「おおさか海ごみゼロプラン」として進められています。今まで、大阪大学と連携してプラスチックごみの実態調査は行われてきましたが、水中のごみ量把握には課題が残っていました。そこで、古野電気の高精度な超音波技術を駆使して新たな技術を開発し、社会の課題を解決する道を模索することとなりました。
取組方針
三者はそれぞれの強みを生かし、以下の方針に基づいて進行します。
1.
大阪府: テーマの選定や調査支援、府民への情報発信、地域との連携を行います。
2.
大阪大学: 水面および流域でのプラスチックごみの動態解析を推進し、高度な推計手法を開発します。
3.
古野電気: 水中におけるプラスチックごみの調査と観測技術の開発を担います。
具体的な取り組み
以下、具体的な取り組みの一部を紹介します。
1. 観測技術の開発
河川から海へのプラスチックごみ流出を把握するため、主要河川である淀川と大和川をターゲットに、新しい観測技術を開発します。この技術により、流出するごみの推計精度を向上させ、複数の河川で同時に観測ネットワークを構築する方針です。
2. 情報発信
プロジェクトの進捗や研究成果を広く知らしめるため、定期的な情報発信を実施します。地域住民へ広く呼びかけ、特に若い世代への啓発活動を強化します。
3. 海洋プラスチック問題の啓発
イベントや環境教育の場を通じて、海洋プラスチック問題への理解を深めてもらうための啓発活動を行い、一人ひとりの行動変容を促します。
協定締結に寄せて
今回の協定締結において、大阪府の原田環境農林水産部長は、「これは大阪ブルー・オーシャン・ビジョンの実現に向けた重要な歩み」と評価し、特に「2025年の大阪・関西万博に向けた機会が良い影響を与える」とコメントしました。
一方、大阪大学の大政教授も、「私たちは海と環境保護に力を入れ続けており、今回の協力が持続可能な社会への第一歩となることを願っています」と語りました。
古野電気の高木経営企画部長は、「地域社会の発展と技術革新のために、全力を尽くす」と意気込みを示しています。これらの取り組みを通じて、プラスチックごみ問題に立ち向かい、「きれいな大阪」を実現するための努力が期待されます。
今後の展望
このプロジェクトは、海ごみ問題への根本的な解決を目指すものであり、地域の皆様の協力が欠かせません。ともに手を携えて、大阪湾の環境改善に向け進んでいくことが求められています。将来的には、国内外の課題とも向き合い、大阪から持続可能な未来を築いていくことに貢献していくことでしょう。