岡山大学・冨樫教授、医療研究開発大賞を受賞
岡山大学の冨樫庸介教授が、内閣府が主催する「第7回日本医療研究開発大賞」で「日本医療研究開発機構(AMED)理事長賞」を受賞しました。この授賞式は2025年1月17日に首相官邸で行われ、石破茂内閣総理大臣や城内実健康・医療戦略担当大臣を含む多くの参加者が出席しました。
賞の意義と業績
医療研究開発大賞は、医療分野の研究と開発に貢献した成果を称えるもので、冨樫教授は特に「腫瘍浸潤リンパ球における新しいミトコンドリア異常の発見」において評価されました。がん治療において用いられる免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の効果を高めるために、腫瘍に浸潤しているリンパ球の機能低下のメカニズムを解明したことが、今回の受賞の大きな理由です。具体的には、がん細胞の異常なミトコンドリアが、腫瘍浸潤リンパ球の機能を低下させることを示しました。
この発見は、がん治療の新しいアプローチを提案するもので、今後のICIの効果向上に貢献することが期待されています。冨樫教授は、「このような名誉ある賞を受け取ることができ、大変光栄に思っています。支えてくださった皆様に感謝申し上げ、引き続き研究を頑張ります」と喜びを語りました。
教育と研究環境の整備
岡山大学の那須保友学長も、冨樫教授の受賞を大いに歓迎しました。「これは本学の研究力向上にとって非常に力強いニュースです。冨樫教授は基礎と臨床を結びつける重要な役割を果たしており、若手研究者の育成にも大きな影響を与えています」と述べました。
岡山大学は、若手研究者支援に力を入れており、「岡山大学若手研究者支援パッケージ」を導入するなど、充実した支援体制を整えています。経済的な制約もある中、若手の育成は国の科学技術の進展にもつながる重要な課題です。
研究者としてのパッション
冨樫教授は、基礎医学の教授であると同時に、岡山大学病院の呼吸器・アレルギー内科の教授としても活動しており、研究・教育・診療の全てに情熱を注いでいます。今後も研究を進め、さらなる成果を上げることで、若手研究者たちに良い刺激を与え続けることでしょう。
地域中核となる研究大学として、岡山大学は今後も研究環境の充実を図り、優れた若手研究者の育成に尽力していく方針です。冨樫教授の業績を皮切りに、岡山大学が創出する新たな革新に期待が高まります。