岡山大学病院が導入するPSMAルテチウム療法
岡山大学病院腎泌尿器科は、2026年2月に「PSMAルテチウム療法」を導入し、転移性去勢抵抗性前立腺がん患者への治療選択肢を広げました。この新しい治療法は、がん細胞に特異的に結合する薬剤を使用し、放射線を用いて攻撃します。ここまでの経過を振り返りながら、その意義について考えます。
背景: 前立腺がんの現状
前立腺がんは、日本国内で男性に多く見られるがんの一つです。特に「去勢抵抗性」の段階に入ると、ホルモン療法や化学療法が効きにくくなるため、治療の選択肢が限られてしまいます。そのため、新たな治療法が急務となっていました。今までは再発や転移があった場合の治療は難しいとされ、多くの患者が絶望的な状況に立たされていました。
新たな治療法: PSMAルテチウム療法とは
PSMA(前立腺特異膜抗原)という目印は、前立腺がん細胞の表面に多く存在します。この特性を利用し、ルテチウム核種を用いた放射性物質をそのPSMAに結合させることで、がん細胞のみを狙い撃つことが可能です。具体的には、放射線を利用し、がん細胞をダイレクトに攻撃することができるため、健常な細胞への影響を最小限に抑えられます。
具体的な治療の流れ
治療は、腎泌尿器科だけでなく、放射線科や看護部とも連携しながら行われます。初めに患者さんのPSMAを調べ、治療の適応を判断します。その後、放射性物質が結合した薬剤を点滴または注射で投与します。治療後は、定期的にフォローアップを行いながら患者さんの状態を観察します。特に副作用に関しても、患者さん一人ひとりに寄り添いながら、慎重に対応していきます。
患者さんからの期待
治療法が限られていた中で、今回の新しい治療法の導入を歓迎する声が多く寄せられています。荒木元朗教授は、「治療法がないと落胆する患者さんのために、この最新治療の導入で希望を持って治療に臨んでいただける体制を整えました」とコメントしています。また、河田達志研究助教も「安全かつ正確な放射線治療を提供します」と述べ、チームとしての強い信念を感じさせます。
地域医療としての役割
岡山大学は、中国・四国地方の中核病院として、地域の患者さんに新たな治療選択肢を提供する使命を担っています。治療法の不足に悩む多くの患者さんに対し、希望の光を灯すことを目指しています。このPSMAルテチウム療法は、前立腺がん治療における重要な進展として期待されています。
まとめ
新しい治療法「PSMAルテチウム療法」が岡山大学に導入されたことで、転移性前立腺がん患者の治療に大きな変化がもたらされることが期待されます。私たちの地域においても、この新たなアプローチがより多くの人々に希望をもたらすことを願っています。これからの岡山大学の取り組みに注目です。