チェーホフを待ちながら
2025-11-06 19:34:45

クスッと笑えるチェーホフの新解釈!劇団MONOの珠玉の作品

クスッと笑える新たな「チェーホフ」



2025年11月6日から9日まで、まつもと市民芸術館の小ホールにて、劇団MONOがプロデュースした『チェーホフを待ちながら』が上演されます。本作はロシアの劇作家アントン・チェーホフの作品をベースにしつつ、脚本・演出を手掛けた土田英生の独自の視点で巧みに潤色されています。

チェーホフの“ヴォードビル”を体験



この作品はチェーホフが愛した一幕喜劇、いわゆる“ヴォードビル”的要素をふんだんに取り入れています。チェーホフ特有の人間関係のもどかしさが笑いに転換され、観客を惹きつける要素が見事に再現されています。この舞台は5人の男女が広場で待っているシーンからスタートしますが、彼らの会話は不条理さを帯びており、見ている者をすぐに引き込んでしまいます。

物語の魅力とギャップ



物語は会話の中で緊張感が漂い、時にギスギスした雰囲気に満ちています。現れる男が主人公達の“待っていた人”かと思いきや、実際には「ゴドー」という名の別人。その男は、なんと「チェーホフになれるように努力します」と名言し、物語は大きな転換を迎えます。

ここから展開されるのは、チェーホフの初期作品である『熊』や『煙草の害について』『結婚申込』などの潤色劇で、多様なスタイルで構成されています。観客は身近なテーマにアレンジされた内容に、親しみやすさを感じることでしょう。

ユーモアたっぷりの演技



ゲネプロでのパフォーマンスも印象的でした。俳優たちによる絶妙な間とテンポが、観客から笑いを引き出す要因になっています。登場人物の心の動きがリアルに伝わる演技が光ります。特に、山内圭哉による独演は圧巻で、恐妻家の男が煙草について語る中で、いつの間にか妻の愚痴に逸れてしまう様子は会場を笑いに包みました。

また、千葉雅子と武居卓の恋愛模様や、新谷真弓と千葉によるコント的なやりとりも見どころの一つです。参加しているキャストそれぞれが持つ個性が豊かに表現され、4つの異なる一幕劇が互いの違いを際立たせつつも、共通した人間理解の深さが感じられました。

誰でも楽しめる作品に



本作は、難解に感じることもあるチェーホフ作品を、土田英生が笑いを交えて分かりやすく作り上げているため、観客は誰でも楽しむことができます。一見重たそうなテーマも、終わってみると心が温かくなる要素に満ちあふれています。

是非とも、このユニークで笑える“チェーホフ”の世界を、劇場で味わってみてください。あなたを待っているのは、笑い、感動、そして深い人間愛です。情熱的な演技とユーモアあふれるストーリーが織りなす『チェーホフを待ちながら』は、11月12日から16日にはKAAT神奈川芸術劇場でも上演される予定ですので、お見逃しなく!


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