学びの場での新たな挑戦
佐賀市立中川副小学校で実施された「プラスマLIFEさが」のアップサイクル授業は、地域の子どもたちにとって貴重な体験となりました。この授業は、佐賀県が推進するプログラムの一環であり、NPO法人唐津Farm&Foodの協力のもと、実施されました。
プラスチック問題とアップサイクル
授業では、4・5年生の子どもたちが参加し、「カラフルサイクルプロジェクト」と連携して、Precious Plasticの射出成形機を使い、実際にペットボトルキャップをアップサイクルする体験を行いました。このプロセスを通じて、子どもたちは、「洋プラスチック問題」や「プラスチックの資源循環」について学びました。
価値あるアイテムへと生まれ変わる体験
ワークショップでは、子どもたちが日常的に廃棄されるペットボトルキャップを粉砕し、加熱・成形し、オリジナルの生物多様性キーホルダーを制作。このプロセスにおいて、子どもたちは、ゴミとされていた素材が新しい価値を持つアイテムに変わることに驚きと喜びを感じていました。
北西九州の海洋プラスチック問題
授業の内容は、アップサイクルだけにとどまらず、北西九州の海で深刻化している海洋プラスチック問題にも触れました。特に対馬では、海外からの漂着ごみが増加し、地域の清掃活動が追いついていない現状も説明されました。子どもたちは、この問題に対して「使い捨てプラスチックを減らすこと」や「プラスチックを資源として循環させること」の重要性を考える貴重な機会を得ました。
みんなで作る循環型社会
授業を受けた子どもたちからは、「キャップがこんなに美しくなるとは驚きました」「海のために、まずは自分がプラスチックを無駄にしないようにしたい」といった素直な感想が寄せられました。このような声からは、授業が子どもたちのプラスチック資源循環や循環型社会に対する理解を深めるきっかけとなったことが伺えます。
デジタル波絵馬で未来を語る
授業の最後には、子どもたちが海に対する願いや未来への思いを描いた「デジタル波絵馬」を制作しました。これにより、彼らの発想力と行動力が活かされた作品が数多く生まれ、環境について考えるきっかけとなりました。
唐津Farm&Foodの取り組み
NPO法人唐津Farm&Foodは、佐賀県唐津市で生物多様性保全や環境教育、地域循環型の取り組みを推進しています。Precious Plasticを利用したアップサイクル事業に取り組むことで、地域の環境問題に対する意識を高め、子どもたちに持続可能な未来を考える力を育てています。
終わりに
今回の授業を通じて、子どもたちが学んだことは、単なる環境問題への理解だけでなく、具体的な行動につなげる力も育まれる機会となりました。彼らの未来には、今後の社会を担う力強い若者たちが育っていくことでしょう。