新たな研究成果:ラットの指の長さと性的活発性
国立大学法人岡山大学の研究グループは、新たにラットにおける指の長さが性的活発性を示す指標となることを明らかにしました。この研究は、ラットの第2指(人差し指)の長さが性的行動に与える影響を探るもので、近年注目を集めています。
研究の背景
本研究は、岡山大学大学院自然科学研究科の特任助教である林姫花さんと、坂本浩隆教授のチームによって行われました。研究チームは、指の長さが生物の行動や選好性に影響を与えるメカニズムを探求してきました。これにより、ラットの指の長さがどのように性的活発性やメスに対する嗅覚の選好性に関連しているかが理解できるようになります。
主要な発見
研究の結果、ラットの第2指が短いオスは、性的行動テストで射精に至る確率が高いことが判明しました。特に、指の長さの比(2D:4D比)が低いオスは、メスの匂いに対して明確な嗜好性を示しました。これにより、指の長さがホルモン環境を反映し、脳の性分化に影響を与えることが示されています。
この研究は、ラットの指の長さが性的活発性や選好性の有用な指標であることを示し、今後の性的指向性に関する神経生物学的メカニズムの解明にも寄与することが期待されています。
研究方法
指の長さについては、カスタム測定プレートを使って正確に測定しました。指をプレートに押し当て、ノギスで測定することでデータを取得し、オスとメスでの性差も考慮されています。
学術的な意義
この研究は、動物の指に基づく行動傾向の予測が科学的に示された初めてのもので、古くからあった手相占いなどにも新たな視点をもたらすことが期待されます。また、今後は人間社会へも応用が進むことで、性的多様性の理解を深める重要な手がかりとなるでしょう。
研究成果の公表
この研究成果は、2025年5月14日付で国際学術誌「Experimental Animals」電子版に掲載されました。
研究者の声
坂本教授は、「指だけで行動傾向がわかる時代が到来したかもしれません。指の長さが行動予測に役立つことを示せたことは、大きな進展です」とコメント。さらに、林助教も「指の長さが性的選好や行動を予測する可能性が明らかになり、驚いています。この知見が多様性の理解に貢献できることを願っています」と語っています。
将来的には、このような基礎研究がさらなる応用につながることを期待したいものです。