大竹しのぶ主演「太鼓たたいて笛ふいて」がテレビ初放送
2024年5月25日(日)午後6時30分から、CS衛星劇場にて大竹しのぶ主演の「太鼓たたいて笛ふいて」がテレビ初放送されます。この作品はこまつ座が誇る音楽評伝劇であり、特に林芙美子という作家の戦中・戦後の姿を描いています。
作家・林芙美子との出会い
林芙美子は「放浪記」や「浮雲」などの名作を残した重要な作家で、2023年には生誕120年を迎えました。彼女は戦中に従軍記者として活躍し、戦後は反戦小説を執筆するという、矛盾した人生を歩んできました。この舞台では、彼女の生涯を追い、戦争に真正面から向き合った姿が描かれています。
本作が初演されたのは2002年。演出を手掛けたのは栗山民也氏で、初演時には大竹しのぶが第10回読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞しました。その後も再演を重ね、このたび新たなキャストを迎えての上演が実現しました。
演技陣と公演情報
大竹しのぶの他に、高田聖子、近藤公園、土屋佑壱、天野はな、福井晶一、朴勝哲が出演します。この新たなキャストによって、初演当時の魅力を保ちながらも新たな息吹が吹き込まれています。
さらに、2024年11月1日から11月30日には東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAでの公演が予定されています。この公演も見逃せないイベントです。
物語のあらすじ
作品は昭和10年に遡り、林芙美子が貧しい浮草暮らしをしながら文壇に登場し、やがてベストセラー作家となるまでの軌跡を描いています。彼女は日中戦争が迫る1935年から第二次大戦を経て、1951年に心臓麻痺で急逝するまでの16年間を追っています。
物語は、世間が戦争に向かっていく中で、芙美子が小説執筆に行き詰まりを感じ、出版した本が発禁処分を受けるところから始まります。プロデューサーの三木孝によって、芙美子は従軍記者へと仕立て上げられます。
シンガポールやジャワ、ボルネオを従軍した彼女が見たもの、聞いたもの、そして彼女が抱えた葛藤が物語を通じて描かれます。人間の生き様、戦争というテーマが観客に深い感動と問いを残す作品です。
CS衛星劇場での放送情報
「太鼓たたいて笛ふいて」は、CS衛星劇場で5月25日(日)午後6時30分から9時30分まで放送されます。大竹しのぶの代表的な役どころを改めて楽しむチャンスですので、ぜひご覧ください。
さらに。
同日午後3時45分からは、こまつ座「夢の泪」も放送されます。こちらもお見逃しなく!
テレビ初放送を機に、林芙美子の人生や彼女が描いた美しい物語を再発見する絶好の機会です。ぜひこの感動の舞台へと足を運んでみてはいかがでしょうか。