名阪真空工業、SmartF導入で生産効率を大幅改善！

名阪真空工業株式会社（大阪府南河内郡）は、最近「SmartF」というクラウド生産管理システムの導入を行い、大幅な業務改善を達成しました。この取り組みは、経済産業省が提唱するスマートマニュファクチャリングの構築ガイドラインに基づいて行われ、特に在庫の見える化や棚卸作業の効率化に寄与しています。

SmartF導入の背景と目的

それまで名阪真空工業では、紙ベースとエクセルを用いた在庫管理を行っており、作業は現場担当者の経験や記憶に頼る部分が多くありました。この方法では、正確な在庫把握や品質管理が難しく、時間がかかる棚卸作業が生産性の低下を引き起こしていました。このような課題を解決するため、SmartFが導入されることとなりました。

SmartF導入以降、具体的には、ロットトレースや先入先出、期限管理のシステム化が行われ、これにより品質管理体制が強化されました。その結果、ヒューマンエラーのリスクも大幅に削減されました。

大幅な工数削減に成功

SmartFによる在庫管理は、ハンディターミナルとQRコードを用いることで、在庫数や使用期限を正確に記録することを可能にしました。これにより、最新の在庫情報をリアルタイムに把握できるようになり、年間2,400時間の工数を削減。また、倉庫から製造エリアへの在庫移動管理も効率化され、360時間の工数を削減しました。

さらに、従来の手作業による棚卸業務も、バーコードスキャンにより大幅に効率化されました。これにより、棚卸作業は約100時間短縮され、経費にして約300万円の削減につながりました。

将来の展望

名阪真空工業の担当者は、SmartFのさらなる機能追加を計画しています。特に受注管理や工程管理への拡張を検討しており、紙で行っていた生産記録や検査項目の管理をシステム化することで、トレーサビリティを一層強化していく予定です。そして、工程管理が完成した暁には、原価管理の実現も目指しています。

コンサルタントの助言

今回のプロジェクトに関与した株式会社ネクスタのコンサルタントは、現場の作業者への直接指導が功を奏したと述べています。シンプルな機能から始めたことで、各工場でのシステム稼働がスムーズに進行し、現場の声を反映した改善提案を引き続き行う意向を示しています。

名阪真空工業の例は、他の製造業にとっても、デジタル化の重要性と、業務改善の可能性を示す大きな成功事例となっています。今後もSmartFを活用したさらなる進化が期待されます。