トプコンと大和ハウス工業が推進するデジタル施工技術の新たな展望

株式会社トプコンと大和ハウス工業が協力し、最先端のデジタル施工技術を用いた新工場の建設が成功裏に完了しました。この取り組みは、BIM（Building Information Modeling）とデジタル施工技術を活かすことで、工事の省力化や生産性向上を実現した事例として注目されています。

建設現場の変革をもたらすBIM技術

今回竣工したトプコン山形の工場は、特にBIMを活用した施工管理が特徴です。かつては設計段階での使用に留まっていたBIMが、施工フェーズにも拡張され、現場でのミスや修正工事が減少し、作業のスムーズな進行が可能となりました。現場の作業者からは「施工現場での計画ミスが少なくなった」との声が多く寄せられています。

また、BIMデータを用いることで、作業の進捗がすぐに把握できるため、迅速な施工計画の判断ができるようになりました。このように、バーチャル空間と現場が結びつくことで、建設プロセスが劇的に進化しています。特に、墨出し作業においては、生産性が20％向上したことが実証されています。

デジタル技術の進化とその効果

両社の共同プロジェクトは、2019年から続いており、最初の工場建設においてBIMの導入が行われました。その後も、デジタルコンストラクションの推進のため、スマートフォンアプリ『楽直』の開発や、施工現場においての測量作業の効率化が進められています。

このアプリは鉄骨建方のサポートを行い、従来の方法に代わる新しい施工手法を提供しました。また、レイアウトナビゲーターと呼ばれるツールも導入され、施工現場における測量の省力化に貢献しています。これにより、全国の施工現場でトプコンの機器を採用する動きが広がっています。

未来への展望

今後はデジタル施工技術を維持管理のフェーズにまで広げ、建物のライフサイクル全体を支える新しいスタンダードの確立を目指していくことが計画されています。このデジタル化の流れは、建設業界の人手不足解消にも寄与すると期待されています。

約90年の歴史を持つトプコンは、医療、農業、建設におけるDX（デジタルトランスフォーメーション）ソリューションを推進しています。一方、大和ハウス工業はその創業から65年以上の間に、住宅や商業施設の施工を手掛けてきました。この2社の協力は、将来的な建設業界の在り方に大きな影響を与えることでしょう。

このように、日本における建設現場は、デジタル技術の力によって著しい進化を遂げようとしています。これからも、トプコンと大和ハウス工業の取り組みから目が離せません。