コスモエネルギーが進める国産SAFの供給
コスモエネルギーグループが、2025年度より国内エアライン向けに国産の持続可能な航空燃料(SAF)を供給することが決定しました。この取り組みは、日本初の国産SAFサプライチェーンを構築するものであり、今後の航空業界における脱炭素化に向けて大きな意味を持っています。
画期的な取り組み
コスモエネルギーグループの子会社であるコスモ石油マーケティング株式会社が、合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYと連携し、国産のSAFを製造・供給します。このSAFは、国立研究開発法人NEDOの助成を受け、廃食用油を原料にした大規模な生産が2024年12月に完了。2025年度から実際に国内エアラインに供給が開始されます。
SAF供給の背景
世界的に航空業界は、国際民間航空機関(ICAO)を通じて、2050年までにCO2排出量を実質ゼロにする目標を掲げています。そのために、2024年以降のCO2排出量を2019年比で15%削減することが求められています。この目標を達成するためには、持続可能な航空燃料(SAF)の普及が欠かせません。
コスモエネルギーグループがこのプロジェクトを推進した背景には、国際的な環境目標に円滑に対応するための取り組みがあるのです。日本初のSAFサプライチェーンの実現により、航空業界全体での脱炭素化の促進が期待されています。
具体的なサプライチェーンの構築
コスモエネルギーグループは、日揮ホールディングス株式会社やレボインターナショナルと共同で、廃食用油の収集からSAFの製造、輸送、供給に至るまでのサプライチェーンを構築しています。2022年には新会社SAFFAIRE SKY ENERGYが設立され、国内で収集した廃食用油を原料として年間約3万キロリットルのSAFを製造・供給することを目指しています。
このように、SAFFAIRE SKY ENERGYは、地元で発生する資源を最大限に活用し、循環型社会の実現に貢献しています。2025年度以降には、供給されるSAFの品質管理や航空会社への供給ルートの整備も整い、国内エアラインへのスムーズな供給が可能になります。
企業代表者のコメント
コスモ石油マーケティングの代表取締役社長である森山幸二氏は、この国産SAF供給の意義を強調しました。「この供給開始により、国産SAFサプライチェーン構築が実現することを大変意義深いものと考えております。SAFを通じて脱炭素社会の実現に貢献することを目指します。」と述べています。
SAFFAIRE SKY ENERGYの代表である秋鹿正敬氏も、プロジェクトの推進に際し関係者への感謝を述べ、「国内資源循環の大きなうねりを作り出した結果が結実したことに感謝申し上げます。」とコメントしました。
近未来の展望
コスモエネルギーグループとSAFFAIRE SKY ENERGYは、今後も脱炭素化と循環型社会の実現をテーマに、さまざまな取り組みを進めていく方針です。このプロジェクトが成功すれば、日本の航空業界全体が持続可能な方向へと進む大きな第一歩となることでしょう。
国産SAFの供給開始は、航空機利用者にとって新たな選択肢となり、より環境に配慮した移動手段を提供します。これからの航空業界は、さらなる進化を遂げ、持続可能な未来へと導かれていくでしょう。