「想うベンチ」が導く
2025-04-07 12:56:27

万博プロジェクト「想うベンチ」で大阪の森といのちの循環を感じる旅

万博プロジェクト「想うベンチ」



大阪の万博会場に設置された「想うベンチ」は、単なる座る場所ではなく、人々の思いや地域の歴史を伝える仕組みが備わっています。このプロジェクトは、「いのち」をテーマに、大阪府民が企画・取材した記事が二次元コードを介して読むことができるようになっており、まさに多様な情報が交差する特別な体験を提供しています。

プロジェクトの誕生の背景


この取り組みは、エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社が中心となり、大阪府との包括連携協定のもとに進められています。万博開催に伴い、地域の森林資源の循環を促進するため、生まれた「想うベンチ」。日本や世界で活躍するデザイナーたちが、地元の木材を使ったベンチのデザインを手がけています。

デザイナーは、建築からプロダクトデザインまで多岐にわたって活躍する佐野文彦氏、辰野しずか氏、松井貴氏の3名。彼らは、大阪の森を訪問し、地域の製材所と協力して、個性的なベンチを完成させました。

大阪の森と、その現状


大阪の森林面積は約5万6000ヘクタールと全国で最小ですが、府全体の面積の約3分の1を占めています。大阪の森は市街地と近接しており、地域社会のニーズに応える重要な資源です。しかし、高度経済成長期以降、木材需要の低下に伴い、林業離れが進行。多くの木材が活用されることなく山に残されているのが実情です。このプロジェクトは、そのような問題提起を通じて、森の価値を再認識させるきっかけとなっています。

ベンチのデザインとそのコンセプト


完成した3種類のベンチは、それぞれ特有のコンセプトに基づいて制作されています。

  • - Type A: 一本の樹を模したデザイン。松井氏が手がけ、シンプルかつ洗練された構造が特徴。木そのものを感じさせる設計になっています。
  • - Type B: 独特な木材の特性を活かしたデザイン。辰野氏が取り組み、シミや節を持つ木材の美しさを引き出す新たな可能性を提示しています。
  • - Type C: 樹の成長過程を描いたデザイン。佐野氏によるもので、時間が経つにつれ変化する樹を意識し、材料としての樹を大切にしています。

府民ライターとのコラボレーション


このプロジェクトでは、約20名の府民ライターが公募され、「いのち」をテーマに記事を制作する活動に参加しました。彼らの執筆を通じて、大阪の森の歴史や製材所の活動、さらには地域の人々の想いを伝える独自のメディアが生まれています。

座った時に読み取れる二次元コードからは、ライターが取材した記事が閲覧でき、「いのち」や森に触れる新たな視点を提供しています。

未来へつなぐベンチ


万博終了後、このベンチは地域に移設される予定です。例を挙げれば、堺市の新檜尾台小学校に設置される予定で、子どもたちに自然を感じてもらう場となることを目指しています。このように、「想うベンチ」は大会後も地域に根づき、持続可能な森の循環を促進する役割を果たすことが期待されています。

終わりに


「想うベンチ」の取り組みは、大阪の森といのちの循環を再認識するきっかけを提供しています。万博という特別な場を通じ、地域の自然環境について考え、愛着を持つことの重要性を感じる機会を与えてくれるのです。私たちも、このプロジェクトを通じて未来の森を見つめ直す手助けをし、共に歩んでいくことが求められています。


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