摂南大学の吉田智音選手がワールドカップで初の栄冠を掴む
2025年5月、インドネシア・バリにて行われた「IFSCクライミングワールドカップ2025」リード種目第2戦で、摂南大学国際学部の吉田智音選手が初優勝を成し遂げました。この快挙は、わずか3年でスポーツクライミング部が創設された中で実現し、特に注目されています。吉田選手は、男子決勝でフランスやスペインの選手を上回り、見事最高到達点を記録しました。
初優勝に至るまでの道のり
吉田選手は幼少期から高所に魅了され、6歳でクライミングジムに通い始めました。その才能は早くから開花し、2018年にはJOCオリンピックカップで優勝。2021年にはリードジャパンカップを制し、2022年にはワールドカップの年間ランキング7位に入賞するなど、その実力を国際舞台で発揮してきました。大学に進学後も、フランス大会での3位入賞を果たし、ワールドカップでの表彰台を踏むという成果を上げています。
裏にある努力と戦略
吉田選手が今回の優勝を手にするために、自身の戦略を大きく変更しました。昨シーズンまではボルダリングとリード両方に出場していましたが、今シーズンからはリード専門に絞り、身体のコンディションも徹底的に管理しました。その努力の成果として、今大会の2週間前には自己最高の状態に仕上げることに成功したのです。また、オーストリアでの海外修行も、技術とメンタル両面の成長に寄与しました。
吉田選手が摂南大学を選んだ理由
吉田選手の摂南大学への進学の背景には、専用のクライミング環境が整っていたことが大きいといいます。2022年に発足したスポーツクライミング部は、現在約20人が在籍し、4年間で結果を出してプロを目指すという明確な目標を持っています。大学内のクライミングウォールは国際基準を満たしており、吉田選手はその充実した環境を活かして練習をこなしています。
次なる目標に向けて
今後の最大の目標は「世界選手権での優勝」です。「年齢を重ねるごとにクライミングへの情熱は増します」と語る吉田選手は、自身の強みを「一人で集中して練習できること」とし、さらなる課題として「安定した結果を出すためのメンタル強化」を挙げています。優勝を果たしたことによって、「努力は報われる」というメッセージを他の日本のクライマーに届けられたことを嬉しく思っており、さらなる飛躍を決意しています。
今後のスケジュール
吉田選手の今後の予定としては、6月からのW杯、そして9月の世界選手権があります。これからも彼の活躍から目が離せません。成功を収めた吉田選手の成長と挑戦を応援しましょう。