迫害と孤立を描くドラマ『HEART ATTACK』の音楽
株式会社Black Cat White Cat Musicが手掛けたドラマ『HEART ATTACK』が、インドネシアで開催される「30th Asian Television Awards」のBest Drama Series部門にノミネートされました。この作品は、超能力を持つヴァリアントと、それを抑圧しようとするVCMの対立を描いています。主演には寛一郎さんと三浦透子さんが名を連ね、3月からフジテレビ運営の動画配信サービスFODで全話配信された人気作です。
このドラマの音楽は、視覚と音楽が一体となり、物語の深みを増す役割を果たしています。特に注目すべきは、音楽がどのように登場人物や物語世界を表現しているかです。音楽ディレクターのエリック・ライフ氏がコメントしたように、音楽はドラマ体験に豊かさを加える重要な要素として位置づけられています。
劇伴制作の際には、単にシーンを盛り上げるための音楽ではなく、キャラクターの内面や物語のコンフリクトを音で描くことに重きを置きました。ヴァリアントに関連する音楽はオーガニックで人間味のあるものとなっており、彼らの感情や葛藤が明確に表現されています。一方で、VCMに関連する音楽にはインダストリアルで無機質なサウンドが採用され、彼らの冷徹さや強権的な立場を反映しています。こうした音楽的コントラストは、物語をより立体的に感じさせる要素となっています。
実際の制作においては、具体的な衣装や生活環境などの視覚的要素も音楽に取り入れられました。例えば、ヴァリアントが暮らすスラムの場面では、缶を叩く即興的な音が用いられ、その環境を忠実に再現しています。さらに、制作された20〜30曲のテーマは物語の進行に合わせてリアレンジされ、キャラクターの成長や心理変化が音楽的に表現されています。
また、9月に台北で開催された「ContentAsia Awards 2025」で、アジアで制作されたドラマとして銀賞を受賞したことも大きな注目を集めています。これは、音楽がどれほど作品全体に影響を与えるかを示すことでもあります。
Black Cat White Cat Musicは、2018年に設立以来、日欧米の映画から広告まで、さまざまな映像音楽を手掛けてきました。エリック氏のコメントの通り、アプローチは従来の日本ドラマとは異なるものですが、フジテレビが新しいアイデアを受け入れてくれたことに感謝しています。音楽の力で物語をより深く伝える試みに、今後も注目です。
本作品に興味を持った方は、ぜひFODでの視聴をお薦めします。本当に音楽の力でキャラクターや世界観が深みを増していることを実感できるでしょう。