フリーBGM協会の2024年度年次レポート公開、音楽利用環境の進化

フリーBGM協会が年次レポートを発表

一般社団法人フリーBGM協会が、2024年度の活動をまとめた年次レポートを4月16日に公開しました。このレポートには、教育機関への取り組みやフリーBGMデータベースの公開に関する情報が含まれ、作曲家から集めたフリーBGM利用実態調査の結果も報告されています。

フリーBGMの利用が広がる

年次レポートによると、フリーBGMの利用は個人から企業、教育機関、行政機関へと拡大しています。実際、就職ランキング上位の大学50校のうち94.0%、企業50社の64.0%が企業や学校の紹介動画にフリーBGMを使用していることが明らかになりました。さらに、中央12省庁の91.7%も啓発動画でフリーBGMを活用しています。その結果、フリーBGMは多くの組織において必須の存在となりつつあります。

利用状況の概要

調査から、フリーBGM作曲家が作った楽曲の利用状況が浮き彫りにされました。最も利用されているカテゴリーはYouTubeやTikTokなどに投稿される動画で、次いでゲーム内や教育機関での利用が多く、テレビ番組やイベント、広告など多岐にわたります。

フリーBGMデータベースの開発

フリーBGM協会は、利用者が感じる不便を解消するために「フリーBGMデータベース」を開発しました。このデータベースでは、21,000曲の楽曲を検索・試聴でき、使いやすさを追求しています。特に2024年7月に開催された「第15回コンテンツ東京映像・CG製作展」で発表され、無償利用がスタートしました。実績として、2025年3月時点で約10,000人のユーザーが登録し、同数の楽曲が登録されました。

高校生クリエイターとの連携

フリーBGM協会は、特に高校生クリエイターを対象にした活動を強化しています。「第7回YouTube甲子園」に協賛し、フリーBGMの利用促進と規約理解のための情報提供を行いました。また、「フリーBGMアワード」の新設も合わせて実施しており、優れた利用作品には金賞が贈られる取り組みも進んでいます。例えば、宇都宮海星学園の動画「LRTで行く！星の杜生みっけ隊」が金賞を受賞しました。