ヤマハ管楽器エントリーモデルの梱包箱、Pentawards金賞を受賞
墨ぶりで知られるヤマハ株式会社が、世界的に名高いパッケージデザインのコンペティション「Pentawards 2025」において、管楽器エントリーモデルの梱包箱が金賞を受賞しました。この受賞は、デザインとサステナビリティに関する同社の取り組みが評価された結果と言えるでしょう。
Pentawardsとは?
「Pentawards」は2007年に創設され、以来世界95か国以上から36,000件を超える応募作品が寄せられる権威あるコンペティションです。特にパッケージデザインに特化したこの賞は、デザイナーや企業にとっての名誉とされ、業界での影響力を持っています。ヤマハの「Pentawards」への参加は今回が初めてであり、初回で金賞を獲得するという素晴らしい成果を収めました。また、一般投票によるPeople’s Choice Awardでも最終候補の12作品のうちの一つに選ばれました。
受賞に至るまでの背景
今回受賞したのは、ヤマハの管楽器エントリーモデル(初心者向け)のための梱包箱デザインです。具体的には、トランペットYTR-2330やフルートYFL-212など、5種類のモデルが対象となります。これらの梱包箱は2025年に再設計され、サステナビリティを重視した新しいデザインに刷新されました。
デザインの過程では、楽器の設計者とデザイナーが密接に連携し、パッケージが単なる保護具ではなく、製品の魅力を伝える重要な要素であることを考慮しました。特に、外装には半透明のアクリルケースに収められているかのようなデザインを採用し、開封する瞬間の期待感や感動を演出しています。
環境に配慮した新しいデザイン
この新しいパッケージデザインは、印刷方法や材料においても環境に配慮しています。 フルカラーのオフセット印刷から水性インクを使用したフレキソ印刷に変更され、揮発性有機化合物(VOC)や廃水の発生を大幅に削減しています。
再生紙使用率も100%に達し、環境への負荷を低減。印刷面積は従来の1/10に減少し、使用電力も従来比で約2/3に削減されています。
今後の取り組みと展望
金賞を受賞したことに対し、楽器事業本部の坂本仁事業部長と、技術本部デザイン研究所の川田学所長はともに喜びを表明しました。坂本事業部長は、「当社のデザイン力とサステナビリティへの取り組みが評価されたことを光栄に思います」とコメントし、今後も感動を与える製品やデザインの創出に努める意気込みを示しました。また、川田所長も「社会の価値観が変化する中で、今後も魅力的なデザインに挑戦します」との意欲を述べています。
この受賞は、ただの始まりに過ぎません。ヤマハは、「初めて所有する楽器」としてのエントリーモデルが、多くの初心者にとっての