シーイーシーとソニーセミコンダクタの基盤強化
株式会社シーイーシー(CEC)とソニーセミコンダクタソリューションズ(SSS)が手を組み、新たな物流DX(デジタルトランスフォーメーション)ソリューションの提供を開始しました。この協業の主な目的は、SSSが展開する「AITRIOS」エッジAIセンシングプラットフォームとCECの「LogiPull」を組み合わせることにより、物流業界が直面しているさまざまな課題を解決することです。
物流業界の現状と課題
近年、物流業界は多くの課題に直面しています。特にトラックドライバーの長時間労働は社会問題化しており、業界内での効率的な作業を求められています。国における「2時間以内ルール」などにより、荷待ちや荷役作業を迅速かつ正確に管理する必要があります。そこでシーイーシーが提供するバース管理システムは、大規模な物流企業から小規模な運営まで幅広く対応できるものです。
システム連携による効率化
今回の協業により、シーイーシーの「LogiPull」とソニーの「AITRIOS」がシームレスに連携し、トラックの入退場時の情報を自動的に記録することが可能となりました。これにより、トラックの荷待ち時間や荷役作業の実績を自動的に取得し、手動でのミスを減少させることが期待されています。このシステムは、例えばトラックがバースに到着した際にナンバープレートを認識し、所定のデータをリアルタイムで記録します。
具体的な機能とは?
新たなバース管理システムは、以下の特長を備えています:
- - 可視化機能:トラックの入退場の流れをリアルタイムで可視化し、業務の透明性を向上させます。
- - 自動記録:荷待ち時間や荷役作業時間を自動で記録することにより、運転手の無駄な待機時間を削減する効果があります。
- - カスタマイズ可能:企業のニーズに応じたシステムの拡張やカスタマイズが可能です。小規模な倉庫向けには標準版を、大規模な施設向けにはオーダーメイドの導入が可能です。
2030年を目指す
シーイーシーは、2030年までにこの新しいバース管理システムを通じて30億円の売上を目指しています。バース管理の効率化を図ることで、ヘルスケアやエネルギー消費の削減に貢献し、持続可能なビジネスモデルを確立する意向です。
マーケティング分野での協業拡大
また、シーイーシーとソニーは、マーケティング分野でも提携を進めていく計画です。以降、共同で展示会への出展や、ソリューションのマーケティング活動を強化することが予定されています。特に「国際物流総合展 2025 第4回 INNOVATION EXPO」では、実機デモを通じてその効果を展示する予定です。
未来の展望
両社は今後も「AITRIOS」をはじめとする新しい技術を駆使して、物流業界のみならず製造業や他の業種でもDXを推進し、「安心・安全」な社会の実現に寄与していく方針です。社会が抱える課題に対して革新的なソリューションを提供する両社の今後の進展に注目です。