岡山大学が発表した植物発酵エキスのマイクロプラスチック除去効果について

岡山大学の革新研究

岡山大学の資源植物科学研究所が新たな研究成果を発表しました。研究によると、植物発酵エキスがマイクロプラスチックと結合し、体外への排除を促進する可能性が示されました。この研究は2025年12月16日の記者会見で発表され、Food Scienceの学術雑誌に8月に掲載されました。

研究の概要と結果

この研究を主導した杉本准教授は、人工胃液と人工腸液における植物発酵エキスの働きを調査しました。その結果、植物発酵エキスがマイクロプラスチックと結合することが確認されました。特に、人工胃液中では、マイクロプラスチックとの結合率が高くなることが分かりました。この現象は、植物発酵エキスに含まれる物質がイオン相互作用によってマイクロプラスチックと結合するためと考えられています。

健康への影響

マイクロプラスチックは我々の食生活や環境に存在し、体内に取り込まれるリスクがあります。これにより血栓形成や臓器不全などの健康リスクが指摘されています。この研究の成果は、植物発酵エキスを用いることによって、マイクロプラスチックの体内吸収を減少させる新たな手段が提示されたと言えます。

発酵食品による腸内環境改善の可能性

杉本准教授は、発酵食品による免疫力向上効果についても言及しました。腸内で善玉菌が増えることで生産される短鎖脂肪酸が、免疫グロブリンの働きを助け、免疫の過剰反応を制御するTreg細胞を増やすことが知られています。今回の研究成果は、植物発酵エキスに含まれる物質がマイクロプラスチックを体外へ排除する可能性を示すもので、この知見が今後の研究へとつながることが期待されます。