11月5日は『ごまの日』
毎年11月5日は「ごまの日」として、日本におけるごまの重要性を再認識する日です。しかし、この食材が危機に瀕していることをご存じでしょうか。
株式会社和田萬は1883年に設立された老舗のごまメーカーです。大阪市北区に本社を構え、長年にわたりごまの生産から製造、販売までを一貫して手掛けてきました。現在、日本のごま自給率はなんと0.1%以下という厳しい現状があり、約99%のごまを海外からの輸入に依存しています。
ごまが消える?
異常気象や農業従事者の高齢化が進む中、持続可能な生産が難しくなっています。特に「ごま」は多くの日本の食文化に欠かせない重要な食材ですが、そのほとんどを他国に頼っているのです。
ごまはごまあえやごま豆腐など、日本の伝統料理に使われます。また、近年では健康志向の高まりからも需要が増していますが、もし輸入がストップすれば、私たちの食卓からごまが消えてしまうかもしれません。この危機に対し、和田萬は積極的な取り組みを行っています。
和田萬の取り組み
自社栽培の実施
和田萬では2010年から自社の畑でごまの栽培を開始しました。この取り組みは、地域住民にごまの文化を実際に体験してもらうことを目的としています。一般の方も参加できる農作業体験を通じて、種まきから収穫、選別までの過程を学べます。環境にも配慮して、ごま油を作る際に出る搾りカスを肥料として利用しています。
職人のこだわり
収穫したごまは、職人により独自の技術で焙煎されます。「焙煎が7割」という言葉があるように、ごまのおいしさは焙煎で大きく変わります。和田萬では、火入れのムラをなくすために少量ずつ手間をかけて焙煎し、ふっくらとしたごまを提供しています。
文化発信の拠点
大阪市にある直営店舗「ごま和田萬 萬次郎蔵」では、約100種のごま関連商品を販売中です。観光スポットとしても楽しむことができるこの蔵は、2025年に建築300周年を迎える歴史ある場所です。ここでは、焙煎されたごまから作られた様々な商品や、相性の良い食材も取り扱っています。
未来に向けて
和田萬はこれからも、日本の食文化を支えるためにごまの生産を続け、自給率の向上を目指します。持続可能な取り組みで、次世代に食文化の魅力を伝えることは、我々全ての責任です。日本の「食」にとって欠かせない存在であるごまを、これからも大切にしていきましょう。
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