光触媒添加剤の新たな活用法
株式会社ユシロが開発した食品事業者向けの光触媒添加剤が、レジオネラ属菌や芽胞菌に対する優れた殺菌効果を実証しました。この研究は、特定非営利活動法人(NPO法人)バイオメディカルサイエンス研究会(BMSA)によって確認され、今後の市場展開に期待が寄せられています。
添加剤の特長
この光触媒添加剤は、特に食品業界向けに設計されており、以下の特長があります。
1.
光のエネルギーで菌を抑制:光を利用して菌の増殖を抑制し、防腐剤に頼らない持続的な殺菌が実現できます。
2.
食品成分100%:安全性が高く、食品業界で安心して使用できます。
3.
廃水処理のコスト削減:チラー冷却水を下水排除基準に適合させることで、廃水処理のコストや手間が軽減されます。
レジオネラと芽胞菌のリスク
レジオネラ属菌は、空調や給湯設備の水中で増殖しやすく、これを吸入することで重篤な肺炎を引き起こすことがあります。一方、芽胞菌は通常の手法での殺菌が難しく、特に食品工場では食中毒の原因となることがあります。このため、両者の効果的な殺菌対策が求められてきました。
無菌環境を維持することは、食品事業者にとって重要な課題であり、光触媒添加剤の導入は解決策となります。
殺菌試験の結果
今回の研究では、光触媒添加剤がどのようにレジオネラ属菌や芽胞菌に作用するか確認されました。以下の試験結果が得られました。
レジオネラ属菌に対する効果
- - 試験菌: Legionella qingyii (Wu et al. 2019)
- - 条件: 200倍に希釈した光触媒添加剤を用い、アルミホイルで遮光し、2時間静置した後、白色LEDにて2時間照射しました。
- - 結果: 有意な殺菌効果が確認されました。
芽胞菌に対する効果
- - 試験菌: Bacillus subtilis (BGA)
- - 条件: 同様に200倍に希釈した光触媒添加剤を用い、アルミホイルで遮光し、6時間静置後に白色LEDにて6時間照射しました。
- - 結果: 効果が確認され、感染症対策に有用とされました。
光触媒技術の可能性
光触媒添加剤は、食品工場だけでなく、医療機関や介護施設、ビル管理、水処理業界、データセンターなど、様々な分野にも応用が期待できます。特に、環境衛生と感染症対策が求められるこれらの分野での導入が進んでいくことでしょう。
会社概要
株式会社ユシロは、金属加工油剤やビルメンテナンス製品の製造・販売を行う企業であり、今回の光触媒添加剤は、その技術の一環として開発されました。高品質な製品とサービスを提供し、顧客のニーズに応える姿勢が評価されています。
今後もユシロは、新たな技術の開発と導入に努め、より安全で衛生的な環境を提供し続けます。