ヤンマーアグリ、西アフリカ市場での農機事業を拡大
ヤンマーアグリ株式会社は、コートジボワールの代理店ATC Comafrique社との協業を発表し、西アフリカ地域での農機事業を飛躍的に拡大することを目指しています。この新たな取り組みは、地域の農業発展に寄与することを目的とし、2025年度から段階的に進められる予定です。
合意に至るまでの背景
2023年5月23日に、ヤンマーアグリとATC Comafriqueの両社は、協業に関する合意を締結しました。今後、ATC社がヤンマー商品を現地で販売し、サービスを提供する役割を担います。この合意により、西アフリカ16カ国におけるヤンマーのトラクターや耕うん機などの農業機械が、より多くの農家に届くことになります。
西アフリカの農業の現状
西アフリカ地域は、カカオやパーム油の生産が盛んですが、最近の人口増加に伴う食糧不足の問題により、稲作への関心が高まっています。ヤンマーアグリは、稲作に特化した農業機械を多数保有しており、ATC社の広範な販売網を活かして、地域の農業に新しい風を吹き込むことを狙っています。
具体的な展開計画
ATC社は、コートジボワールに本社を置き、西アフリカ16カ国におけるオペレーションの中心となる予定です。2025年度以降、トラクター、コンバイン、耕うん機、エンジン、さらには各種部品とアフターサービスを提供し、連携して地域農業の発展をサポートします。
ヤンマーの企業理念
ヤンマーは、1912年に大阪で創業し、ディーゼルエンジンの小型化に成功した農機メーカーです。その企業理念は「大地」「海」「都市」の各分野での持続可能な発展を基盤としており、環境負荷フリーな事業運営を目指しています。「HANASAKA」という価値観を持つヤンマーは、「A SUSTAINABLE FUTURE」を達成するためのソリューションを世界中で展開しており、今回の西アフリカでの拡大も、その一環として位置付けられます。
ATC Comafrique社について
ATC Comafrique社は、1966年に創業されたコートジボワールの大手企業であるBillon Family財閥に属しています。現在、西アフリカにおいて自動車や農業機械の販売を通じて、地域の経済発展に貢献している企業です。2021年からはヤンマーアグリとの取引を開始し、共同でトラクターやコンバインの販売を行っています。
期待される成果と今後
この新たな協業は、西アフリカ地域での農業の生産性向上だけでなく、現地農家への技術支援や雇用創出にも寄与することが期待されています。2050年までには、持続可能な農業の実現に向けたさまざまな取り組みが求められる中で、ヤンマーアグリとATC Comafrique社の連携が重要な役割を果たすことになるでしょう。これからの展開に大いに注目が集まります。