伍代夏子氏と地域の絆を深める
2023年7月より始まった「りく・なつ同室避難推進プロジェクト」において、歌手の伍代夏子氏が中心となり、突発的な自然災害に備え、人とそのペットが同じ空間で避難できる社会を目指しました。これは、ペットを家族として大切にする日本において、時代に即した重要な取り組みです。特に、同室避難の意識を飼い主に浸透させることが、その詳細な内容の一つです。
最近、伍代夏子氏は約1年ぶりに石川県珠洲市を訪れ、地元の住人たちと直接対話を行う機会を持ちました。訪問の際、特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパンの橋本笙子氏から、令和6年能登半島地震における支援活動や現状報告がなされました。
珠洲市内は、以前訪れた時と告げられた景色が大きく変わっていました。多くの被害を受けた建物が解体され、その名残として増えた空き地が可視化されました。もちろん、デイサービスの再開などを通じて徐々に復興が進んでいますが、復興に伴い新たな問題も顕在化しつつあることを伺いました。
特に子供たちの安全が心配される中、工事用の大型トラックの往来が増えていることは新たな課題です。さらに、近隣には遊び場が少なく、子供たちは楽しむために他の市町に足を運ばなければならないという現実もあります。地域の再生には時間がかかることを痛感します。
そこで、仮設住宅に住まずに自宅を修繕し続ける矢野さんは、以前避難所にペットと共に避難した際の体験を語ってくれました。「ペット受け入れの避難所でも、周囲に気を使うストレスで体調を崩し、自宅に戻った」というのです。これは、ペットと一緒に避難する難しさを物語っています。安心できる避難所の存在が、必ずしも健康的な生活を保証するわけではありません。飼い主にとっての選択肢は限られ、新たな改善が必要です。
また、キャンプのようにペット受け入れ可能な避難所が早期に解散してしまったことも、ペットと人間が元の生活に戻る難しさを生む要因です。ペットクリニックへのアクセスが制限されているため、健康状態が悪化するリスクもあるといいます。結果、避難時に分離されたペットが野良になるケースも増発しており、その問題は繁殖、捕獲難、さらには新たな野良犬や野良猫の誕生を招いています。
このような苦境を打破するためには、飼い主自身が何を成すべきなのかを理解し、常日頃から意識を持つことが求められます。実際、備えや避難の大切さを知っている人は多くありませんから、アクションプランの策定や、情報発信活動が欠かせません。うまくいかない備えや、いざという時の心構えは、すべての飼い主に周知されたいもので、伍代氏及び「りく・なつ同室避難推進プロジェクト」はそのために尽力することを約束しています。これからも、地元の人々と共にペットと人間が共存できる未来を築いていくことが重要です。