新たな医療の時代を切り開く伊苅裕二博士
『DOCTOR'S MAGAZINE』の3月号では、東海大学医学部付属病院の伊苅裕二教授を特集し、彼の医療への情熱と革新の歴史を掘り下げます。伊苅博士は、橈骨動脈アプローチという新技術を導入することで、数百万人の命を救うという偉業を成し遂げています。
治療技術“IKARI curve”の誕生
伊苅氏は、冠動脈インターベンション(PCI)に用いるガイディングカテーテル「IKARI curve」を開発し、従来のカテーテル治療の常識を覆しました。名古屋市で生まれた彼は、生物学への興味を背景に医師の道を志し、循環器内科に進むこととなります。特に、従来の足の付け根からの治療に代わり、より患者への負担を軽減できる腕からのカテーテル治療に挑戦する決意を固めました。
1996年、彼の新しい手技は世界で初めて成功を収め、加えて1998年には論文を発表しますが、その際には新技術への批判もあり、彼は一時的にカテーテル治療の現場から離れることになります。しかし、米国ワシントン大学での病理学研究を経て、1999年に三井記念病院の科長として復帰。2005年には「IKARI curve」が世界的に認められることとなりました。この過程は彼の不断の努力と、医療技術への情熱がいかに重要であるかを示しています。
患者への思いと新たな挑戦
伊苅氏は、彼の日常においても常に患者と向き合う姿勢を貫いています。彼にとって、医療の現場は新しい技術を生み出すためのインスピレーションの源です。治療基準の改定や、日本心血管インターベンション治療学会の発展にも寄与し続けています。その姿は、彼自身が掲げた「命を救うために何ができるのか」という問いへの答えでもあるのです。
他の医師たちの挑戦も特集
今号では、伊苅氏に加えて神奈川県立がんセンター婦人科医長の鈴木幸雄氏も特集。彼は婦人科腫瘍領域での臨床経験を基にキャリアを築き、様々な分野で活躍しています。鈴木氏の考え方である〝キャリアドリフト〞も注目に値します。
AI技術との共存
『DOCTOR'S MAGAZINE』の最終回では、生成AIの進化が医療現場に与える影響について考察されています。生成AIは診療の質を向上させる可能性を持つ一方で、医師としての本質を見失う懸念もあるため、どのようにバランスを取るのかが求められています。
今号は、伊苅裕二氏や鈴木幸雄氏など、全国各地で活躍する医師たちの真摯な姿勢とともに、医療の未来に向けた革新を感じさせる特集となっています。ぜひご覧いただき、医療という分野の進化に触れてみてください。