部活動の未来
2025-06-17 18:08:47

神戸市の部活動地域移行、田島教授が語る未来と課題

神戸市で進む部活動の地域移行とその未来



2026年、兵庫県神戸市や伊丹市などで実施される「部活動の地域展開(移行)」に向けて、運動部活動の新しい形が模索されています。この移行は2019年以降、教員の働き方改革や少子化による部活動の減少、指導者の専門スキル不足といった社会的な課題を受けて進められてきました。これまで学校内で行われていた部活動が地域へと展開される背景には、地域との結びつきを強化し、持続可能なスポーツ環境を整える目的があります。

地域クラブ活動のスタート



神戸市では、2026年9月から中学校の部活動を休日・平日ともに完全終了し、生徒が地域の人々と共に活動する地域クラブ活動『KOBE◆KATSU(コベカツ)』を開始します。この取り組みは、地域に根差した運動文化を育む試みとして注目され、多くの地域自治体が類似の方向性をもって部活動の移行を進めています。

課題と解決策



しかし、地域展開における課題もあります。2024年5月にスポーツ庁が発表した調査によると、休日の部活動に取り組んでいる運動部は21%と少ない状況。特に「指導者の確保」が71.9%と最も大きな課題とされ、次いで「持続可能な収益構造の構築」が59.4%となっています。これに対処するためには、制度的な整備や財源の確保が求められます。

田島良輝教授は、部活動の地域展開を成功させるためには、マネジメント機能を持つコーディネーターの存在が重要であると指摘しています。地域の人間関係に過度に頼ることなく、確実な指導者や運営体制の整備が必要です。例えば、茨城県神栖市では、民間企業がコーディネーターとして指導者の確保やプログラム作成を行っています。

社会的投資効果を高めるために



田島教授はまた、部活動の負担を「受益者負担」とする新たなモデルを提案し、スポーツの社会的価値を高める方向性として専門的な指導者による質の高いサービス提供を重視しています。このようなシフトにより、地域のスポーツ活動が持続可能になり、地域の経済にもプラスの影響をもたらすことが期待されています。

また、夜間の学校施設を地域の塾やスポーツの拠点として活用することも、学校資源を効果的に利用できる一つの施策として、田島教授は推奨しています。

未来の部活動を形成する地域展開



部活動の地域展開は、今後のスポーツ教育のあり方を根本的に変える可能性を秘めています。神戸市や伊丹市を皮切りに、全国各地で地域に即した部活動の形が整備されることで、生徒にとっても地域にとってもより良いスポーツ環境が形成されるでしょう。未来の部活動がどのように進化していくのか、引き続き見守っていきたいと思います。


画像1

関連リンク

サードペディア百科事典: 部活動 地域展開 田島良輝

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。