関西国際空港の進化と未来、大阪・関西万博への挑戦!
関西の空の玄関口、関西国際空港(関空)の進化が目覚ましい。特に注目されるのは、大阪・関西万博を控え、空港が「ファーストパビリオン」として位置づけられたことだ。この春、関空は大きな変革を迎えており、その裏には代表取締役社長の山谷佳之氏の強いリーダーシップがある。
山谷佳之氏の経歴と挑戦
山谷氏は1956年、大阪・吹田に生まれた。若いころから万博に親しみ、大阪万博には30回以上通うほどの“万博少年”であった。神戸大学の農学部を卒業した後、彼はオリックスの前身となるオリエンタル・リースに入社し、キャリアをスタートさせる。1995年、阪神・淡路大震災が神戸を襲った際、山谷氏はオリックス・ブルーウェーブの優勝企画に携わり、監視役として成功に導いた経験も持つ。
2002年、彼はオリックス信託銀行の社長に就任。その後、2016年には関西エアポート株式会社の初代社長に選ばれ、新しい空港運営の挑戦を始めた。関空は当初創業赤字が続いたが、オリックスはヴァンシ・エアポートと提携して関西エアポートを設立し、山谷氏のリーダーシップのもと、新たな挑戦がスタートした。
災害とパンデミックからの教訓
2018年9月、関空は台風21号による大打撃を受け、空港連絡橋にタンカーが衝突するという惨事が起こった。しかし、この経験から山谷氏は防災対策の重要性を痛感し、さらなる事業継続に向けた工事を推進。この時期、世界は新型コロナウイルスの影響を受け、2021年には総旅客数が前の年の10分の1まで落ち込む厳しい状況が続いた。
そんな中、関西エアポートは非接触型のゲートの設置を進め、コロナ禍での感染防止に成功した。コロナが落ち着くと、2024年には外国人旅客数が2024万人を超え、過去最高を記録。これも山谷氏の先見の明と努力が成し得た結果だ。
大阪・関西万博への準備
関空は、2024年の大阪・関西万博に向けて大きく変化している。離発着数が1時間あたり15本増加し、第一ターミナルの大リニューアルも実施された。特に山谷氏がこだわったラウンジは、快適な空間を提供し、万博へのVIP導線やセキュリティ対策も整えられている。これにより、関空はただの空港ではなく、多くの海外ゲストを迎えるための「ファーストパビリオン」としての役割を果たす準備を進めている。
カーボンニュートラルへの取り組み
さらに、関空は環境問題にも取り組んでおり、カーボンニュートラル2050年の達成を目指して、大阪・堺に新しい製造プラントを設立。航空機の温室効果ガス排出削減に向けた取り組みは、日本全体の環境意識を高める役割を果たすことになるだろう。
このように、関西国際空港は既存の枠を超え、未来を見据えた進化を続けている。そして、これからの関空がどう変わっていくのか、ぜひ注目してほしい。