新コスモス電機が新センサを発表
大阪市に拠点を置く新コスモス電機株式会社は、2025年10月1日(水)から半導体製造工場向けの硫化カルボニル(COS)用ガスセンサ「CDS-7シリーズ」を発売すると発表しました。この新製品は、同社のコスモス式ガス検知部「PS-8シリーズ」に搭載される重要なアイテムです。
新コスモス電機は、「世界中のガス事故をなくす」という理念のもと、ガス警報器や検知器の開発に取り組んでいます。半導体製造工場では、人体に有害なガスが多く使用されており、そのためのガス検知装置の設置は不可欠です。また、特殊高圧ガスに関する規則に従い、ガス漏れ検知装置の定期的な校正が求められています。このニーズに応えるために、新コスモス電機は1997年に初のガス検知部「PS-6」シリーズを開発し、その後も「PS-7」および「PS-8」と進化させてきました。
新製品の特徴
「CDS-7シリーズ」は、その名の通り、硫化カルボニルガスを検知するために特化したセンサです。これまでの硫化カルボニルや三フッ化窒素(NF3)用のガス検知器は、ガスを検知する前に熱分解を行う必要がありました。その熱分解を実施するための装置は通常、ガス検知部と同じかそれ以上の大きさを持ち、設置面積の問題となっていました。特に半導体工場では、数百台以上のガス検知部が必要となるため、設置スペースの確保が大きな課題です。
しかし、新コスモス電機は2019年に、熱分解装置を内蔵した一体型触媒センサを開発し、スペース効率を大幅に改善しました。この成功を受けて、同様の技術を利用した「CDS-7シリーズ」が誕生しました。
省スペース化と信頼性
新センサの特長は、熱分解コンバータおよびパージフィルタを不要とした点です。新コスモス電機の独自の触媒技術により、ヒータの部分が小さくされており、これをセンサ内部に収めることで、設置スペースの問題が解消されました。加えて、メンテナンス時のアルコールによる干渉も少なくなり、パージフィルタが省略された設計となっています。
今までのNF3用センサの実績を基に作られているため、信頼性も高いという点もポイントです。
新コスモス電機の取り組み
新コスモス電機は、1964年に世界初の家庭用ガス警報器の開発を開始し、以来、ガス警報器に熱心に取り組んできました。家庭用ガス警報器は国内市場で高いシェアを誇り、さらに海外市場にも進出しています。常に最新の技術を要求される中、同社は独自のガスセンサ技術を用いて新商品を続々と開発しています。
最近の「CDS-7シリーズ」の発売は、半導体製造現場の安全性をさらに向上させるだけでなく、新たな市場開拓の一歩ともなりそうです。これからの動向に期待が寄せられています。
会社情報
新コスモス電機株式会社は、大阪市淀川区に本社を置き、家庭用や産業用のガス警報器、火災警報器などの開発・製造・販売などを行っています。1960年設立の同社は、技術革新を追求し、ガス事故防止の使命を果たすために全力を挙げています。
公式ウェブサイト:
新コスモス電機公式サイト