ヤラセ口コミへの警戒心と消費者の選択基準
商品や店舗の選択において、インターネット上の口コミは欠かせない情報源となっていますが、その信頼性が揺らいでいることが、株式会社マイスタースタジオ(本社:大阪府大阪市北区)の「ヤラセ口コミに関する意識調査」から明らかになりました。この調査は全国の男女518人を対象に、2025年3月に実施されたものです。
調査の背景と目的
インターネットの普及とともに、口コミは商品の選び方に大きな影響を及ぼしています。しかし、さまざまな理由から、実際には信頼性に欠ける「ヤラセ」と呼ばれる口コミも多数存在しています。今回の調査では、消費者がどの程度ヤラセ口コミを意識しているか、そしてそれに対する対策や判断基準について探りました。
調査結果の概要
調査結果として、95.7%の人が口コミをヤラセだと感じたことがあると回答しました。具体的には、「高評価が多すぎる」と感じることが最も多く、全体の40%を占めました。続いて、「言葉が不自然」や「具体的な記述がない」といったポイントが挙げられました。
特に驚くべきことは、口コミがヤラセだと思った場合、多くの人が「購入しない」と回答したことです。46.9%の人が、このように答えており、消費者は無意識のうちに商品の信頼性を評価していると考えられます。何気なく利用している口コミも、信頼性に対する警戒が強く残る結果となりました。
ヤラセと思われる口コミの特徴
1. 高評価の集中
ヤラセだと感じる最も大きな理由として「高評価が多すぎる」という点が挙げられます。これは、すべての評価が高い状況に不安を感じる消費者が多いためです。実際、「すべてが高得点だと信じられない」と答える人も多くいます。
2. 不自然な言葉遣い
次に多く見られるのが、「言葉が不自然」というポイント。特に自動翻訳されたような不自然な日本語の口コミは、信頼性を損なう原因となります。このような文章の背後にはAIや他者による操作を疑う声が多いことがわかります。
3. 具体性の欠如
口コミが具体的でない場合、利用者は「本当に体験したのか?」という疑問を抱きます。単に「良い」とだけ書かれている口コミよりも、詳細な体験談が求められる時代なのです。
消費者が求める対策
アンケートで最も多かった「ヤラセ口コミを防ぐために求める対策」は、26.1%の人が「ヤラセ口コミの調査」を望んでいると答えました。続いて、22.0%が「ヤラセへのペナルティ実施」を求め、13.3%は「通報制度の設置」を希望しています。
消費者は企業やプラットフォームに対して更なる透明性と監視体制を求めていることが明らかになりました。実際に、ヤラセ行為が横行すれば、それは企業の信頼性にも影響を及ぼします。
まとめ
口コミは商品の選択を助ける重要な情報源ですが、ヤラセの存在はそれを覆す危険性を秘めています。そのため、消費者は一層慎重になり、企業側にも信頼性を確保する必要があるのです。企業は顧客の信頼を得るために、口コミ管理を適切に行い、ユーザーとの信頼関係を築いていくことが求められています。今後、消費者リテラシーの向上も重要な要素となるでしょう。