AAA・與真司郎が語る自らの思春期とカミングアウト
AAAのメンバーである與真司郎(あたえしんじろう)さんが、最新のノンフィクションエッセイ『人生そんなもん』を2025年4月16日に発売します。本書では、彼の幼少期から現在までの思いを赤裸々に語っており、特にカミングアウトを経験したことで自身の人生がどのように変化したのかを深く掘り下げています。
與さんは1988年11月26日に大阪府枚方市で生まれ、幼少期を京都府八幡市で過ごしました。彼の家庭は、7歳上の姉と5歳上の兄がいる大家族で、彼はその中で育ちました。多くの子供同様、育った環境に色々な影響を受けつつも、特に性別についての違和感を抱いた出来事が彼を刺激したようです。その一つが幼稚園での経験です。
幼稚園での「ピンクは女の子用」の一言
幼稚園時代、與さんはお絵描きの時間にピンク色の画用紙を好んで選んでいましたが、ある日、先生から「ピンクは女の子用だよ」と言われたことが心に残っています。この一言は、幼少期の彼にとって大きなショックであり、彼が自らの性自認について考えるきっかけとなりました。後に、彼の母親からも「青の方がいいんじゃない?」と言われ、その影響が彼にどのように作用したのかを彼は今でも思い返します。
彼は当時、自分自身の性自認や性的指向をよく理解していなかったにもかかわらず、自分を否定されたという悲しみは、その後の人生においても多くの影響を与えました。この体験は、彼が自身を受け入れるための長い葛藤の原点だったと反省し、彼はその思い出が現在の自分を形作る一部であると認識しています。
家庭の事情と性格形成
さらに、與さんの成長背景には家庭における厳しい経験が含まれています。彼の父親はDV気質であり、家庭内での暴力やモラハラが日常的に見られたため、母親は常に精神的に追い詰められていたとのことです。毎晩飲みに出かけては夜遅くに酔って帰り、家族に怒鳴り散らす父親の姿は、與さんにとって強いトラウマとして記憶されています。これらの経験が、彼が抱く「偉そうなおじさん」に対する嫌悪感や、父性を感じさせる男性に対する憧れを生む要因となったと考えられます。
小学生の際、野球のコーチに感じた憧れの気持ちも、今振り返ると幼少期の心の影響を受けた初恋のようなものであったかもしれません。
社会の変化と理解の必要性
與さんは、今の時代が徐々に理解を深めつつあることに期待を寄せています。「バックグラウンドを持つ子供たちが、昔のように否定されることがない社会を作ることが重要だ」と語り、自身の経験を通じて少しずつでも社会を良い方向に導いていきたい意志を示しています。彼のエッセイは、過去の痛みを抱えながらも、前向きに未来を切り開こうとする姿勢を伝える一冊となることでしょう。
書誌情報
- - タイトル:『與真司郎フォトエッセイ人生そんなもん』
- - 発行:講談社
- - 発売日:2025年4月16日
- - 価格:1,980円(税込)
- - 仕様:四六判/160ページ
- - ISBN13:978-4-06-538728-3
彼の物語と共に、私たちも自身のセクシュアリティについて考え直す機会を与えてくれる作品となることを期待しています。