RFIDとアパレルの融合で実現する新たな体験
2025年10月13日をもって閉幕する大阪・関西万博で、株式会社ピエクレックスが新しいアパレル体験を実証しました。このイベントでは、村田製作所が開発したRFID技術を駆使し、消費者に新たな価値を提供する仕組みを明らかにしました。特に、衣類廃棄問題に対してのアプローチとして、アパレルの循環インフラ「P-FACTS」が注目されています。
日本の衣類廃棄問題
環境省が発表した「2024年版 衣類のマテリアルフロー」によると、日本では毎年およそ56万トンの衣類が焼却または埋め立てされています。この膨大な量の廃棄は、ファッションの裏で深刻に進行する環境問題をあらわにしています。これに対し、ピエクレックスは「長く使えるもの」や「廃棄せずに手放せるもの」を目指し、持続可能なアパレルの循環を実現するために「P-FACTS」を開発しました。
RFID技術の導入
今回の万博では、ピエクレックスのRFID技術を活用した「思い出を紡ぐ ピエクレックスRFIDタオル」が話題になりました。このタオルには、NFC対応のRFIDタグが埋め込まれており、専用のスマートフォンアプリを利用することで、購入者は限定動画コンテンツや抽選企画に参加できる仕組みとなっています。この試みは、製品を“モノ”から“体験”へと飛躍させる新しいアプローチであり、消費者が自発的に環境保護に参加できるような仕組みを目指しています。
パネルディスカッションへの参加
2023年9月26日には、経済産業省が主催する「サーキュラーエコノミー研究所」のパネルディスカッションに、代表取締役社長の玉倉大次が登壇しました。ここでは、繊維産業における消費者との共創や循環型ビジネスの在り方について議論され、業界全体が掲げる目標に向けた方向性を探る貴重な機会となりました。
今後の展望
RFID技術を通じた新たなアプローチを実証したことで、ピエクレックスはアパレル製品が“モノ”から“体験”へと変わる未来を描いています。この基盤をもとに、他の企業や自治体と連携し、環境貢献に参加できるようなさらなる仕組みの開発を進めていく予定です。「P-FACTS」を通じて、サステナブルなファッション社会の実現を目指します。
大阪・関西万博での主な活動
大阪・関西万博では、以下のような活動が実施されました。
- - 会場のサービスアテンダントのために、ピエクレックスの独自素材「電気の繊維」を使用した公式ユニフォームのインナーシャツを提供
- - シグネチャーパビリオン「Better Co-Being」で「思い出を紡ぐ ピエクレックスRFIDタオル」を販売
- - RFID技術を活用し、購入者専用のデジタル体験(動画コンテンツや抽選企画など)を提供
これらの活動を通じて、新しいアパレル体験と環境への配慮が結びついた未来志向の提案がなされました。
まとめ
「P-FACTS」は、ピエクレックスが手掛ける環境に優しい循環インフラで、衣料の回収・堆肥化までを一貫して行います。これにより、企業と消費者が協力して持続可能なファッション社会を形成することを目指しており、今後も新たな価値の創出に取り組んでいきます。