ハカルプラス、農業市場に初登場
来年度で創業110年を迎える計量・計測器メーカー、ハカルプラス株式会社が新たに農業分野に進出します。この度、同社が発表した「Folina」(フォリナ)は日本初となる非破壊・光学式のポータブル硝酸態窒素センサーで、果菜類、特にトマトの栽培に特化しています。来年の2025年10月より販売開始の予定で、ハカルプラスは独自のスマート農業ブランド「ベジモニ(Vegemoni)」の一環としてこの技術を提供します。
背景と課題
日本の農業では化学肥料に依存した栽培が行われていますが、日本の化学肥料は海外からの原料に頼っているため、その価格は世界的な需要やエネルギーコストの影響を受けやすい状況です。このため、農業生産者は高騰する肥料コストに悩まされています。さらに、持続可能な農業の実現には、政府が掲げる「みどりの食料システム戦略」などに基づく2050年までの化学肥料使用量30%削減が求められています。特に、トマトをはじめとする果菜類は肥培管理が重要ですが、現場では経験や勘に頼る施肥が行われ、過剰な肥料投与が品質やコストに悪影響を与えてきました。
「Folina」の特長
Folinaは、葉を切ることなく挟むだけで簡単に栄養状態を診断できるセンサーです。特許取得済みの光学センシング技術を基にし、約7秒で硝酸態窒素濃度を即時に表示します。測定結果はスマートフォンを通じてクラウドに保存されるため、誰でも安定したデータを取得可能で、経験に依存せずに施肥の管理ができることが最大のメリットです。これにより、肥料コストの削減や収量・品質の向上、環境への負荷軽減に寄与します。また、Folinaはその軽量・コンパクト設計によって携帯性にも優れ、片手で簡単に測定できる点も好評です。
今後の展開
現在のところFolinaはトマト専用ですが、今後はイチゴやキュウリなど多様な作物に対応する予定です。農業試験場との共同研究を通じて、測定タイミングや運用方法を検証し、収益改善に寄与することも目指しています。また、このようにシンプルで導入しやすいソリューションの普及を進めていきます。
ハカルプラスの取り組み
ハカルプラスは、Folinaを基にした様々なセンシングソリューションの開発にも力を注いでいます。農業現場での省力化や生産性向上、持続可能な食料生産システムの実現に向けて、今後もイノベーションを続けていくことでしょう。
詳しい情報
Folinaに関する詳細は、
公式ウェブサイトをご覧ください。また、開発の苦労や過程は
Nevernoteにて公開中です。動作を確認したい方は、
YouTubeチャンネルにも動画をアップしています。
興味がある方は、ぜひお問い合わせを!ハカルプラス株式会社 新規事業開発本部まで。MAIL:
[email protected]