オムロンが分散型電源プラットフォーム「グリッドシェア」に出資参画

オムロン、分散型電源プラットフォーム「グリッドシェア」への出資参画

オムロンソーシアルソリューションズ株式会社（OSS）は、伊藤忠商事グループのグリッドシェアジャパン株式会社（GSJ）が展開する分散型電源プラットフォーム「GridShare」事業に出資しました。この協業には、九州電力、中部電力ミライズ、東急不動産、アメリカのLunar Energyも参加しており、計5社が新たな株主として名を連ねます。

背景と目的

再生可能エネルギーの導入が進む中、電力の需給安定化と再生可能エネルギーの出力変動への対応が大きな課題となっています。地域に分散した小規模な再エネ発電や蓄電池を統合的に制御することで、VPP（仮想発電所）事業が注目されています。グリッドシェアは、AI技術を基に分散型電源を遠隔制御し、電力需給の最適化や市場取引を実現するプラットフォームです。

オムロンはこの出資を通じて、分散型電源の最適制御によるVPP事業への参加と、市場取引への実証を進める意向を示しています。

オムロンの取り組みと展望

OSSはこれまで、エネルギーマネジメント分野で多様なソリューションを提供してきました。今回の出資を機に、以下の主要な取り組みを推進していく予定です。

1. 蓄電池の群制御を活用：自家消費の最大化や経済性を重視したデマンドレスポンス（DR）を通じて新たな価値を創出します。

2. 市場取引への対応：分散型電源の最適制御を活かし、容量市場や需給調整市場などへの参加を強化します。

3. データ活用：GridShareプラットフォームを活用し、発電予測や電力需要分析など、社会インフラを支えるためのデータ活用を推進します。

将来的には、OSSは制御技術とデジタル技術の融合を進め、分散型エネルギーの最大活用と再生可能エネルギーの促進に寄与することを目指します。

グリッドシェアジャパンの紹介

グリッドシェアジャパン株式会社は、伊藤忠商事とLunar Energyの協業によって設立された企業で、国内でAIを活用した分散型電源プラットフォーム「GridShare」を展開しています。現在、約4万台の蓄電池がネットワークに接続されており、AIによる最適制御を通じて電力需給の調整や再生可能エネルギーの有効活用を進めています。