岡山大学病院、母体胎児集中治療室の新設で周産期医療を強化
岡山大学病院(岡山市北区)は、2024年9月に地域周産期母子医療センターとしての機能を大幅に向上させるため、母体胎児集中治療室(MFICU)を新たに6床設置しました。この新設は、妊婦や新生児に対する医療の質を高め、地域医療機関との連携を強化する一環として進められました。
MFICUの役割
MFICUは、妊娠中の母体と胎児の健康状態を一層細かく管理する目的で設立され、主に妊娠高血圧症候群や切迫早産、多胎妊娠による合併症など、さまざまなハイリスク妊娠ケースが対象になります。入院中は、母体の血圧や心拍、呼吸などの重要なバイタルサインをモニタリングしながら、胎児の心拍も常時確認します。
また、点滴や投薬による早産予防、血圧管理を実施し、必要に応じて早期分娩や緊急帝王切開の準備も行います。これにより、妊婦さんと胎児の安全を確保し、可能な限りリスクを軽減することを目的としています。
地域医療との連携強化
2025年6月1日より、岡山県から「総合周産期母子医療センター」として指定されることが決まり、地域の医療機関との連携もさらに強化されます。この指定を受けて、岡山大学病院は4階フロアを同センターとして運用していきます。
岡山大学病院はこれまでも、重症の合併症を有する妊婦や新生児の受け入れを行ってきましたが、今回のMFICU新設を機に、より一層の医療サービス向上が期待されています。
未来への貢献
今後は、周産期医療を専門とする医師の育成にも力を入れ、地域内での医療人材の確保と質の向上に努めていく方針です。持続可能な周産期医療を目指し、地域の命を支える医療機関としての責務を果たしていくことが求められています。
まとめ
岡山大学病院の新設された母体胎児集中治療室は、地域の妊婦さんや新生児に対する医療の新たな拠点となります。これにより、地域医療の質を高め、安心して妊娠・出産を迎えられる環境の整備が期待されます。今後の取り組みに注目です。