三生医薬の新たな製剤技術
三生医薬株式会社は、静岡県立大学との共同研究により、新たな製剤技術を開発しました。この技術は、難吸収性素材の吸収を“穏やかに、持続的に”サポートするためのものです。具体的には、南極オキアミから得られるクリルオイルと中鎖脂肪酸(MCT)を組み合わせた“マトリックス様構造”が鍵となっています。
研究の背景とその意義
現代の健康志向が高まる中、機能性成分を豊富に含むサプリメントの需要が急増しています。しかし、吸収が難しい素材の扱いについては、業界全体での課題となっていました。そこで三生医薬は、「体への取り込み方」を制御できる新しいアプローチを伴う製剤設計に挑戦しました。これにより、難吸収性の成分、たとえばコエンザイムQ10やアスタキサンチンなどの有用性を最大限に引き出すことができると期待されています。
実験による成果
この研究では、まずセサミンという脂溶性成分の吸収持続性を評価しました。クリルオイルとMCTオイルを混ぜ合わせたマトリックスにセサミンを溶解し、ラットに摂取させた結果、吸収がより穏やかで長持ちすることが実証されました。また、7日間の連続摂取試験では、脂質負荷後の血中トリグリセリドの上昇が有意に抑制されることが確認されました。これにより、持続的な吸収と機能発現が両立することが明らかとなりました。
学会での反響
この研究成果が発表されたのは、日本薬剤学会第40年会でのこと。多くの関係者が関心を寄せ、活発な質疑応答が行われました。大学や民間企業の研究者からは、マトリックスから成分がどのように放出されるかという具体的なメカニズムについての質問が飛び交い、発表者たちは詳細に答えました。このように、今回の製剤設計が業界内で高く評価され、今後の製品開発に向けた新しい視点と可能性を提供しています。
今後の展望
三生医薬の常務取締役研究開発本部長、又平芳春氏は、「クリルオイルとMCTオイルの組み合わせによるマトリックス構造は、難吸収素材の機能を活かす製剤技術です。この研究成果によって、日々の健康をサポートする新製品の開発が進むことを期待しています。」と述べています。また、静岡県立大学の尾上教授は、クリルオイルの特性を利用した新しい手法がセルフメディケーションに貢献することを強調しました。
お問い合わせ
本研究に興味のある企業や研究者に、三生医薬は図表付きの資料を提供しており、製品開発や共同研究の相談も受け付けています。興味のある方はぜひご連絡ください。
会社概要
三生医薬株式会社は、静岡県富士市に本社を置く健康食品や医薬品の製造を行っている企業です。国際的な競争力を持った製剤技術の追求を続けており、研究開発においても世界中の人々の健康に寄与しようと努めています。公式ウェブサイトでは、さらに詳細な情報や最新の研究成果を紹介しています。